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2016.10.25
恵比寿 「コスメキッチン アダプテーション」
霞が関パートナーズ法律事務所の弁護士伊澤大輔です。
うちの体組成計を信じるなら、このところ体脂肪率が14%台になり、お腹にうっすらと6パックの輪郭が見えてきました。
そんな感じで、外食には何かと制約があるのですが・・・食べたいものを食べるというわけにはいかず、どうしても、高タンパク、低脂肪、低炭水化物な食材かどうかで選んでしまいます・・・そんな私にうれしいお店を恵比寿で見つけました。
アトレ恵比寿西館(恵比寿駅のロータリー側に新しくできたアトレです)の2階にある「コスメキッチン アダプテーション」です。
どうでしょう? サラダ好きにはたまりませんね。
ここのウリは、何と言っても、西洋野菜をはじめ珍しい野菜が豊富にあるサラダバーです。紫芋や、ラディッシュ、茶色のオクラ(?)なんて、普通のサラダバーには、なかなか置いてないですよね。素焼きアーモンドや、キノコ、海藻類、ちょっとしたデリがあるのも、身体作りをしている人にとっては嬉しい限りです。
メイン料理を選んで、サラダバーを付けるのが基本になりますが(サラダバーのみの利用も可能です)、断然つけるべき!です。
但し、たくさん盛りすぎてしまい、メイン料理がくる前に、お腹いっぱいにならないように気をつけて下さい。
なお、このアトレ西館1階には、行列しているグルメバーガーのお店があって、皆、美味しそうにハンバーガーやフライドポテトを頬張っています。
うらやましい限りですが、今の僕には手が出せませんので、年が明け、オフ期になったら、ぜひチャレンジし、改めてご報告させていただきたいと考えています。
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2016.10.21
交通事故による人身傷害保険金等の請求事案において、酒気帯び免責が認められ、請求が棄却された事例
霞が関パートナーズ法律事務所の弁護士伊澤大輔です。
今回は、原告が自動車を運転中に発生した交通事故により負傷し、自動車も破損したため、保険会社(被告)に対し、人身傷害保険金及び車両保険金の支払いを求めたところ、原告は、事故後に救急搬送先の病院で飲酒検知を受け、呼気1リットル中0.1ミリグラムのアルコールが検出されていたことから、保険会社が酒気帯び免責を主張して、その主張が認められ、請求が棄却された事例(大阪地裁平成27年10月23日判決)を紹介させていただきます。
●酒気帯びとは?
保険の免責特約には、被保険者が道路交通法65条1項に定める酒気帯び運転またはこれに相当する状態で自動車を運転している場合に生じた損害に対しては、保険金を支払わない旨定められています。
この酒気帯びの概念について、当該判決は、具体的には、通常の状態で身体に保有する程度以上にアルコールを保有していることが、顔色、呼気等により、外観上認知することができるような状態にあることをいうと解しました。
●原告の反論
この点、原告は、保険約款では、違法薬物に関する免責事由として、麻薬等の影響により正常な運転ができないおそれがある状態で自動車を運転している場合を挙げていることとの均衡を考慮し、酒気帯び運転免責についても、酒気帯びの影響により正常な運転ができないおそれのある状態での運転の場合に限定して適用されるものであると主張しました。
●裁判所の判断
しかし、上記判決は、酒気帯び免責特約は、違法薬物に関する免責事由と異なり、明文上、酒気帯び状態であることに加え、その影響により正常な運転ができないおそれがあることまでを要件としていないこと、
道路交通法は、アルコールの影響により正常な運転ができないおそれがある状態にはあたらない程度のものも含め、酒気を帯びて自動車を運転する行為を禁止しているのに対し、麻薬等を服用して自動車を運転すること自体を禁止するのではなく、「薬物の影響その他の理由により、正常な運転ができないおそれがある状態」での自動車の運転を禁止しており、これに対応する保険免責特約も、それぞれの免責事由ごとにふさわしい要件を定めていると解されるのであって、他の免責事由の規定の仕方から酒気帯び免責特約を限定的に解釈することはできない旨判示しました。
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2016.10.19
飼犬の鳴き声について損害賠償が認められた事例
霞が関パートナーズ法律事務所の弁護士伊澤大輔です。
今回は、飼犬の鳴き声により、近隣住民に対し、財産的、精神的損害を与えたとして、飼主に対する損害賠償請求が認められた事例(大阪地裁平成27年12月11日判決)をご紹介させていただきます。
●事案の概要
原告は、山間部の閑静な住宅地に暮らしていましたが、その後、道路を挟んで約30mの距離にある建物に被告らが居住し、雑種の雄犬を飼い始めました。原告は、被告らに対し、飼犬が昼夜を問わず大きな鳴き声を断続的にあげるため、睡眠障害を伴う神経症を発症するなどしたとして、治療や慰謝料等の支払いを求める損害賠償請求をしました。
●根拠条文
民法第718条1項本文には、「動物の占有者は、その動物が他人に加えた損害を賠償する責任を負う。」と定められています。これが損害賠償の根拠条文になります。
もっとも、その但し書きに、「動物の種類及び性質に従い相当の注意をもってその管理をしたときは、この限りではない。」と免責事由が定められています。
●判断基準
本件のような騒音に基づく損害賠償請求が認められるには、騒音が一般社会生活上、受忍限度を超える違法性があることが要件とされます。
受忍限度を超えるか否かは、被侵害利益の性質、被害の程度、加害行為の態様、地域性、当事者間の交渉経過等を総合考慮して判断するものとされています。
なお、その主張・立証は、被害者である原告の方でしなければなりません。
●裁判所の判断
裁判所は、PCMレコーダーで録音した飼犬の鳴き声が、窓を開けた状態でのものではあるが、音量の最大値が70.6dbで、平均値は64.5dbであり、深夜や早朝の時間帯に60dbを超える音量が記録されている事実などから、飼犬は深夜や早朝の時間帯を含め、被告が被告宅から出入りする際や、見知らぬ人が被告宅の付近を通った際などに、日常的に、比較的大きな音量で、一定の時間、鳴き続けていたものと推認できるなどと判示しました。
そして、原告には、飼犬が深夜や早朝を問わず鳴き声を上げることによって、現に、睡眠を妨げられるなどの生活上の支障が生じていたのに対して、被告らは、原告から、飼犬の鳴き声に対する苦情を言われたり、調停の申立てをされたりした後も、これらを真摯に受け止めて、飼犬の鳴き声を低減させるための適切な措置を執ったわけではなかったとして、飼犬の鳴き声は受忍限度を超えると判示しました。
また、免責事由に関し、「住宅地において犬を飼育する飼主は、犬の管理者として、犬の鳴き声が近隣住民に迷惑を及ぼさないよう、日常生活において犬をしつけ、場合によっては専門家に依頼するなどして犬を調教するなどの飼育上の注意義務を負うというべきである。」が、被告らが、飼犬について相当な注意をもってその管理をしたということはできないとして、原告の損害賠償請求を認定しました。
●認定された損害
心療内科に通院した治療費、薬代、交通費のほか、録音機器購入費、慰謝料25万円、弁護士費用3万円が認定されています。
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2016.10.06
銀座のクラブママは労働者?…ではないようです。
霞が関パートナーズ法律事務所の弁護士伊澤大輔です。
最近、仕事が忙しくて、ブログの更新ができていないにもかかわらず、HPへのアクセス数が増えていて、少し嬉しい気持ちになりました。
●裁判例の紹介
さて、今回は、銀座のクラブママが、クラブ経営者から契約(以下、「本件契約」といいます。)を解除されたことから、本件契約は労働契約であり、解雇は無効であると主張して、未払い賃金等の請求をした裁判例(東京地裁平成27年11月5日判決)をご紹介させていただきます。
裁判では、本件契約が労働契約か、それとも業務委託契約(準委任契約)かが争点となりました。
●労働者とは?
労働基準法には、労働者は「職業の種類を問わず、事業又は事務所に使用される者で、賃金を支払われる者」と定義されています(第9条)。
また、労働契約法には、「労働者とは、使用者に使用されて労働し、賃金を支払われる者」と定義されています(第2条1項)。
しかし、この定義だけから、労働者の範囲を明確にするのは、難しいですね。
●裁判の判断のポイント
当該判決では、概略、次のように、判示されています。
①原告(クラブママ)は、あらかじめ顧客にクラブへの来店を勧誘し、来店の約束を取り付けた上で、クラブに来店した顧客を接待していたものであり、原告の顧客が来店する予定のない日には、基本的には、クラブに出勤する必要がないものとされていた。
その上で、被告(クラブ経営者)は、顧客のうちの誰にいつクラブへの来店を勧誘するのか、どのような方法で勧誘するのかといった点について、原告に指示や指導をしておらず、これらの点を専ら原告に任せていたものと解される。
②原告は、顧客に勧誘する来店日時を調整することにより、出勤日及び出勤時刻をほぼ自由に決めることができる立場にあった。原告が被告によって業務遂行の時間を指定・管理されていたということはできない。
③原告の報酬が原告の顧客に対する売上のみに基づいて計算され、原告の稼働時間と連動していなかった。
原告の報酬は、原告がクラブにおいて接客を中心とした業務を行ったことそれ自体の対価というよりも、原告が原告の顧客を勧誘してクラブに来店させることによって、被告の売上げに貢献したことの対価という性格が強いものということができる。
原告の報酬は、接客という労務提供の対価としたならば極めて高額であるということができる。
④当該クラブに在籍する他のホステスの報酬は、出勤日数に応じた日給制等であったのに対し、原告は、報酬や料金システムについて、他のホステスとは違う待遇を受けていた。
⑤被告は、社会保険の関係で原告を労働者として扱っていなかった。
上記事情に照らせば、本件契約について、原告が被告の指揮下において労働をし、その対価とし賃金の支払いを受ける旨の労働契約であったと評価することは困難であり、原告は労働者に該当しないというべきである。
●評価
他方、クラブのホステスについて、労働者性を肯定した裁判例として東京地裁平成22年3月9日判決があります。
使用者の指揮監督の有無や強弱、報酬の労務対償性の有無等を総合評価して判断するということでしょうね。