企業法務

それは経営者である、あなたの仕事ですか?

自ら契約書を作成したり、チェックしたり、代金を支払わない顧客から取り立てをしたり、従業員の労働問題で頭を悩ませながら、独禁法や下請法、景表法、各種業法に違反していないか調査したり、他社から著作権や商標権侵害を主張されたり、ハードクレーマーの相手をする、さらには私生活でも問題を抱えている・・・これらはすべて経営者であるあなたの仕事でしょうか?代わりに、私たちがその数十分の一のコストで、迅速かつ適切に対処いたします。是非、貴社の本業に専念し、その時間と才能とエネルギーを社会のためにお役立てください。

企業法務について、例えばこんなお悩みありませんか?

主な取り扱い項目

主な顧問先・依頼先企業の業種

契約書

損害保険会社(交通事故、企業・施設賠償責任等)、不動産(売買、借地権、仲介、賃貸管理、競売等)、建設・建築、測量、運送・引越業者、電化製品メーカー、輸出入業者、飲食店、システム開発、IT企業(AI開発)、工業デザイン、コンサルタント、人材紹介、衣料品メーカー、通信教育、外食産業、コンビニ、石油元売・販売、鉄鋼、タクシー会社、太陽光発電、古物販売等。

顧問弁護士をお探しの企業の皆様へ

顧客のため、社会のため、誠実な商いをしている中小企業を法的にサポートする

「商売は、世の為、人の為の奉仕にして、利益はその当然の報酬なり」―近江商人の商売十訓で一番最初に出てくる言葉です。この理念を体現している中小企業及び経営者の方々のお力になれれば、私たちにとって、これに勝る喜びはありません。私たちもこの言葉をもってお応えします―「無理に売るな、客の好むものも売るな、客の為になるものを売れ」

当事務所の顧問契約は、次のようなニーズを有する企業に適しています。

顧問業務の処理時間やレヴュー回数は無制限

顧問業務の処理時間やレヴュー回数は無制限

当事務所の顧問契約は月額5.5万円*(税込)が標準金額となっております。この顧問料の範囲内で、電話やメール・面談による各種個別相談や、契約書等をはじめとする書面のレヴューに対応しております。顧問業務の処理時間は月何時間まで、契約書等のレヴューは月何通までといった制限は特に設けておりません。顧問契約上は、一応、月平均の処理時間の定めを設けさせていただいておりますが、あくまで目安の時間であって、月によって目安の処理時間を超過しても、追加費用のご請求はしておりませんので、是非、顧問契約を最大限活用して、貴社の業務にお役立て下さい。
*個人、個人事業主の方につきましては、月額2万7500円(税込)とさせていただいております。

代表者や従業員の方のご相談にも対応

会社のご相談に限らず、代表者や従業員の方々の私的な問題につきましても、顧問業務と同様にご相談に応じます(ただし、会社と利益が相反する問題につきましては応じることができません)。別途、相談料をいただくようなことはありません。

弁護士費用の割引

一般的な法律事務所の顧問契約と同様、契約書の作成や、交渉、訴訟等につきましては、顧問料とは別に費用をいただくことになりますが、顧問契約を締結いただいている場合には、通常料金から一定率の割引をさせていただいております。あらかじめ顧問契約を締結いただいている場合に限らず、初めて訴訟等のご依頼をされる場合に、それに伴い顧問契約を締結される場合にも、割引料金を適用しております。事案によっては、顧問契約を締結される方がリーズナブルな場合もあり、実際に、そのようにされる企業も多くいらっしゃいます。

ご紹介先にも弁護士費用の
割引

当事務所では、顧問先からご紹介いただいた方につきましても、着手金の一部割引をしております。このサービスは、他の法律事務所では、一般的に行われておりませんので、BtoBやBtoCで多くの取引先をお持ちの企業におかれましては、是非、このサービスを、貴社の取引先や消費者に対する更なるサービス向上にご活用いただきたく存じます。

有事の際のクレーム対応や
交渉・訴訟も

リサーチや書面の作成はしっかりしてもらえるけど、いざ問題が起こった時に、顧問弁護士の腰が引けていて、相手と電話で話そうともしない・・・という話を時々耳にします。残念ながら、顧問先であるにもかかわらず、暴力団が相手の事件は受けないという弁護士がいるのも事実です。他方、当事務所は、長年、損害保険会社の依頼により厳しい交渉・訴訟を数多く経験しておりますし、代表弁護士は民暴委員を務めておりますので、どんなにストレスフルな相手でも物怖じすることはありません。有事の際も、ご安心ください。

BLOG企業法務

2024/03/13
退職後の競業行為に関する損害賠償の可否

虎ノ門桜法律事務所の代表弁護士伊澤大輔です。

顧問先等から、役員や従業員による退職後の競業行為や、従業員や顧客の引き抜き行為に関する相談を受けることが、そこそこあります。

この点、退職後の競業行為等を禁止する合意書や誓約書、就業規則が存在する場合には、その内容や有効性を判断することになります。

退職後の従業員に競業避止義務を負わせることは、その者の職業選択の自由を制約することになりますので、公序良俗に反し無効となる場合もありますが、今回はどのような場合に合意が有効で、どのような場合に無効になるかという問題には立ち入りません。

今回は、このような退職後の競業避止義務等に関する合意がない場合において、判例や裁判例を概観し、どのような行為が違法とされ、損害賠償請求できるかについて説明させていただきます。

退職

 

■不法行為等の成立を認めた裁判例


 

【東京地裁昭和51年12月22日判決】

会社の取締役らが在職中から新会社の設立を企図し、突然にしかもいつせいに退職して退職した会社と営業の一部競合する新会社を設立し、従来からの会社の得意先に対し、同社と同一もしくは類似した商品の販売を開始した事案について、次のように判断しています。

被告らが原告会社と競合する被告会社を設立することは自由であると言っても、その設立については原告会社に必要以上の損害を与えないように、退職の時期を考えるとか、相当期間をおいてその旨を予告するとか、さらには被告会社で取扱う製品の選定やその販売先などにつき十分配慮するなどのことが当然に要請されるのであってて、いたずらに自らの利益のみを求めて他を顧みないという態度は許されない。しかるに前記認定事実からすれば、被告らは原告会社在職中から被告会社の設立を企図し、突然にしかも一斉に同社を退職して同社と営業の一部競合する被告会社を設立し、従来からの原告会社の得意先に対し、同社と同一若しくは類似した商品の販売を開始したというのであるから、同人らのかかる行為は先に述べたことからして著しく信義を欠くものと言わざるを得ず、もはや自由競争として許される範囲を逸脱した違法なものと言わざるを得ない。

 

【東京地裁平成5年1月28日判決】(チェスコム秘書センター事件)

原則的には、営業の自由の観点からしても労働(雇傭)契約終了後はこれらの義務を負担するものではないというべきではあるが、すくなくとも、労働契約継続中に獲得した取引の相手方に関する知識を利用して、使用者が取引継続中のものに働きかけをして競業を行うことは許されないものと解するのが相当であり、そのような働きかけをした場合には、労働契約上の債務不履行となるものとみるべきである。

 

【横浜地裁平成20年3月27日判決】(ことぶき事件)

美容室の総店長として勤務していた者が、退職時に無断で顧客カードを持ち出し、他店で勤務する際に利用していたという事案について、次のように判断しています。

顧客カードの管理状況について見ると、リプル店において、顧客カードは、リプル店の顧客が自由にこれを見ることができるような状態に置かれてはいなかったものの、単に輸ゴムで束ねられ、カウンターの下の三段ボックスや顧客の荷物置場に保管されていたにすぎず、これに秘密とする旨の格別の表記等もされず、被告が顧客カードを持ち出した当時、これが施錠できる場所に保管されていたわけではなく、また、パソコンに入力されていた顧客情報についても、パスワードの設定がされておらず、従業員が自由に顧客情報にアクセスすることができる状態に置かれていたものと認められるのである。そうすると、顧客カードは、秘密に管理され、情報の漏洩防止のための客観的な管理下に置かれていたとは認め難いから、顧客カードにつき、上記の秘密管理性を認めることはできない。

顧客カードは「営業秘密」に当たらないから、被告が顧客カードを持ち出した行為を不正競争防止法2条1項4号の「不正競争」と認めることはできないが、その有用性及び非公知性は肯認されるのであって、たとえ従業員であってもこれを原告の承諾なく持ち出して、リプル店の営業活動以外の目的で使用するのは、不法行為に当たるというべきである。

 

 

■不法行為等の成立を否定した裁判例


 

【最高裁平成22年3月25日判決】

工作機械部品等製造会社を競業避止義務特約の定めなく退職した従業員が、別会社を事業主体として同種の事業を営み、退職した会社の取引先から継続的に仕事を受注した行為につき、退職のあいさつの際などに取引先の一部に対して独立後の受注希望を伝える程度のことはしているものの、取引先の営業担当であったことに基づく人的関係等を利用することを超えて、退職した会社の営業秘密に係る情報を用いたり、信用をおとしめたりするなどの不当な方法で営業活動を行ったものではなく、また、退職直後に会社の営業が弱体化した状況を利用したともいい難い等の諸事情を総合し、社会通念上自由競争の範囲を逸脱した違法なものとはいえず、不法行為に当たらないとされた事例。

 

【東京地裁平成20年11月7日判決】(スタートレーディング事件)

従業員は退職後に使用者に対して競業避止義務を負うものではなく、自由競争を逸脱するような方法で使用者の顧客を奪取したような場合に例外的に不法行為が成立する余地があるにすぎない。

被告Bは、原告の顧客に対し、退職の挨拶をする際に新たに会社を始めることを告げたところ、求められるままに価格表等を提示してこれによって取引が開始されたことが認められる。そうすると、被告Bは、原告における営業担当者であったことを活用して顧客を獲得したという面があることは否定できない。ただ、その際、原告よりも極端に取引条件を有利にしたとか、原告との取引を止めるよう執拗に勧めたとか、原告について何か虚偽の事実を告げたとか等の事情は認められない。また、これら顧客としても、長年取引のあった原告との取引を中止し、新たな業者と取引を開始することは相応の危険を伴うことであり、顧客が取引に応じたということは、顧客自身の選択でもある。そのように考えると、被告Bないし被告会社の行なった取引が自由競争を逸脱した取引であるとは認められない。

 

【東京地裁平成20年7月24日判決】

被告は、原告を退職後、新会社の設立準備中に、偶々、Gからプロジェクトのコンペに参加するよう打診を受け、被告が原告の従業員として稼働していた際に知り得た業務上又は技術上の秘密等を利用することなく、退職後に自ら行った現地調査や周辺環境の調査等を元に、それまで培った知識・経験等を生かして企画書を作成・提出し、顧客のコンペにおいて最も高い評価を得たがために、受注に至ったのであって、これを自由競争の範囲を逸脱した違法なものということはできない。

 

【大阪地裁平成12年9月22日判決】

すでに被告会社を退職していた被告石井が,被告会社と競合する新規事業を計画し,その遂行に必要な従業員を確保し契約園を募るなどした結果,被告会社の従業員の一部がこれに応じて被告会社を退職し,被告会社が受託していた幼稚園の一部が被告会社との契約を解消したとしても,そのような被告石井の競業行為やこれに呼応した従業員の行為が当然に被告会社に対する背任行為等として不法行為となるものではない。

 

 

■まとめ


 

以上から、社会通念上自由競争の範囲を逸脱した違法な態様で、元雇用者の顧客を奪取したとみられる場合には、元従業員の行為が違法と判断され、損害賠償を受ける可能性があります。

 

それでは、具体的にどのような場合に、「社会通念上自由競争の範囲を逸脱する」と評価されるおそれがあるかといいますと、次のような行為が挙げられます。

・退職した会社の営業秘密に係る情報を用いて営業活動を行う。

・退職した会社について虚偽の事実を告げたり、その信用をおとしめたりするなどの不当な方法で営業活動を行う。

・退職直後に退職した会社の営業が弱体化した状況を利用して営業活動を行う。

・顧客に対し、退職した会社よりも極端に取引条件を有利にする。

・顧客に対し、退職した会社との取引を止めるよう執拗に勧める。

 

他方、次のような行為については、自由競争の範囲内と解されます。

・退職のあいさつの際などに取引先の一部に対して独立後の受注希望を伝える程度のこと

・取引先の営業担当であったことに基づく人的関係等を利用する程度

・退職後に、それまで培った知識・経験等を生かして企画書を作成・提出し、顧客のコンペにおいて評価を得て、受注に至った場合

2022/01/28
【企業法務】人材紹介において内定を取消した場合の紹介手数料請求を認めた事例

人材紹介

虎ノ門桜法律事務所の代表弁護士伊澤大輔です。

当事務所には、顧問先の1つに人材紹介会社もありますが、人材紹介契約に関し、参考となる裁判例(東京地裁令和2年11月6日判決)がありましたので、ご紹介させていただきます。

 

■事案の概要


人材派遣等を業とする原告が、病院等を経営する被告に対し、求職者Aを紹介しましたが、被告がAの採用内定後に内定を取り消したことから、この内定取消しは被告の都合によるものと主張して、かかる場合でも紹介手数料を支払うべきことを定めた人材紹介取引契約の条項に基づき、紹介手数料や遅延損害金の支払を求めた事案です。

 

■争点


人材紹介契約(本件契約2条6項)には、被告は、内定通知を行いAがこれを受諾した後、「被告の都合」により内定を取り消した場合でも、原告に手数料を支払うものとする旨の条項が定められていたことから、内定取消が「被告の都合」に該当するか否かが争われました。

この点、判決は、「本件契約3条1項が、専ら入職者の責めに帰すべき事由により退職した場合に限り返金を認めているところ、解雇により退職した場合には、法令に則った正当な解雇の場合に限っていることを踏まえると、客観的に合理的で社会通念上も相当なものとして是認することができない内定取消しについては、本件契約2条6項にいう被告の都合による内定取消しに当たるものとして、紹介手数料の支払を免れないものと解するのが相当である。」と判示しました。

 

要は、

客観的に合理的で社会通念上も相当なものとして是認できる内定取消の場合には、人材紹介料を払わなくても良いが、

客観的に合理的で社会通念上も相当なものとして是認できない内定取消の場合には、人材紹介料を支払わなければならない

と判示したのです。

 

■被告の主張


上記争点について、被告は、次のように主張しました。

被告が求めていた人材は、健診センターのチーフマネージャーであり、極めて重要な職位であるところ、Aは、履歴書返送時の送り状において、被告の名称も間違えていた。

また、履歴書及び職務経歴書を確認してみたところ、現在の勤務先について齟齬、矛盾のある記載を見つけた。このように、Aが被告に提出した履歴書や職務経歴書には、本人しか確認しえない学歴、職歴について誤謬、虚偽、矛盾した標記が何か所にもわたって存在しており、一般常識人として求められる真面目さ、正確さの欠落した注意力散漫かつずさんな性格のみならず、論理的思考力の弱さ、思考回路の混乱の疑いが、内定予定後に一挙に露顕した。これを受けて、被告は、Aは、健診センターのチーフマネージャーとしての適格性を欠くと判断し、採用を見送ったものである。

よって、内定を取り消したのは、専らAの過誤、過失に起因するものであって、被告の都合によって内定を取り消した場合に当たらない。

 

■裁判所の判断


この被告の主張について、裁判所は次のように判断し、人材紹介料や遅延損害金の支払いを命じました。

確かに、履歴書と職歴経歴書には、誤記や、齟齬・矛盾のある記載が認められる。しかしながら、年齢の記載、職歴欄と自己PR欄の齟齬は、Aが以前に使用した履歴書や職歴経歴書を上書きせずに使いまわしたことから生ずる誤記と推認でき、経歴を詐称しようとするなどの悪質な意図に出たものとは認められない。その他の誤記についても、注意力がやや欠落している点は否めないものの、単純な誤りであって、虚偽の経歴を意図的に記載したとまでは認めるに足りない。また、履歴書返送時の送り状の誤記についても、漢字の変換ミスにとどまるものである。

そして、被告は、面接時には、すでに、履歴書と職務経歴書のうち、入学・卒業の各年度と年齢の記載に誤りがあることに気づいており、それ以外の誤記も、通常の注意をもって読めば、内定決定前に気づくことが十分可能であったといえる。

そうすると、被告がAの採用内定を取り消した事由は、採用内定当時知ることができず、また知ることが期待できないような事実であったとはいえず、解約権留保の趣旨、目的に照らしてみたときに、被告の内定取消しが、客観的に合理的で社会通念上も相当なものとまではいえない。

2022/01/12
【企業法務】代表取締役を解職された場合、損害賠償請求できるか?

代表取締役社長

虎ノ門桜法律事務所の代表弁護士伊澤大輔です。

 

取締役などの役員は、いつでも、株主総会の決議によって解任することができます(会社法339条1項)。理由のいかんを問いません。

 

ただし、解任について正当な理由がない場合には、解任された取締役は、会社に対し、解任によって生じた損害の賠償請求をすることができる旨が会社法に定められています(同条2項)。

詳しくは、【取締役の解任】職務不適任を理由とする「正当な理由」の該当性をご参照ください。

 

■問題点


 

それでは、取締役会において、代表取締役を解職された場合、任期の間、将来得べかりし代表取締役としての報酬相当額について、損害賠償請求できるのでしょうか?

 

最近、このようなご相談を受けましたので、調べてみましたが、この点について解説をしている文献はあまり多くはなく、裁判例を1つ見つけました。

 

法律上の根拠としては、会社と代表取締役とは委任の関係にあるところ(会社法330条)、民法651条2項は、委任においては、当事者の一方が相手方に不利な時期に委任の解除をしたときは、その当事者の一方は、やむを得ない事由があったときを除き、相手方の損害を賠償しなければならない旨定めていることから、代表取締役の解職決議に民法651条の適用があり、同条2項に基づき損害賠償請求できるかが問題となります。

 

■富山地裁高岡支部平成31年4月17日判決


 

当該判決は、次のように判示して、将来得べかりし代表取締役としての報酬相当額に関する損害賠償請求を否定しています。

 

代表取締役の解職の手続に、委任解除の規定である民法651条が適用されるかは一つの問題ではあるが、仮にその適用があるとしても、同条2項における「相手方に不利な時期」とは、委任に係る事務処理自体との関連において不利な時期をいうものと解され、また、同項にいう損害とは、解除の時期の不当なことによる損害をいうものと解される。

 

そして、報酬を支払う旨の約定のある有償の委任契約においては、解除により将来の報酬債権が生じないことは当然であって、委任は各当事者がいつでも解除することができるものである以上、受任者が将来得べかりし報酬は、当然には解除の時期の不当なことによる損害として上記損害に含まれるものではないというべきである。

 

なお、当該訴訟において、原告は、代表取締役はその役職に伴う重責を背負いながら、他方で、いつ、いかなる理由であろうと解職され、報酬請求権を失うというのでは、代表取締役は極めて不安定な立場に置かれ、不当である旨主張していますが、この点について、当該判決は、次のように判示しています。

 

明文上、代表取締役の報酬を保護する規定はないうえ、代表取締役が代表の地位を退き、これに伴う報酬の減額があったとしても、取締役としての地位を失うものではなく、これに対応する報酬請求権は得られるのであるから、著しく酷というものではなく、それが不当であるということはできない。

 

■会社法339条2項の類推適用


 

もっとも、代表取締役を解職された場合にも、取締役が解任された場合の会社法339条2項の類推適用がされるか否かについては争いがあり、これを肯定し、正当な理由なく解職された代表取締役は会社に対し、損害賠償請求できるとする見解も存在します。

まずは相談することが
解決への第一歩となります。

トラブルを抱え、鬱々とした日々を過ごしてはいませんか?

当事務所はトラブルに即時介入し、依頼者の盾となり、ストレスフルな日々から解放します。

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