霞が関パートナーズ法律事務所の弁護士伊澤大輔です。

 

先日、とある専門学校に来賓として招かれ、祝辞を述べることになりました。

お恥ずかしながら、その内容をご紹介させていただきます。

 

 

新入生の皆さん、ご入学おめでとうございます。

 

本来、祝辞というのは、皆さんを祝福する、明るい話をするものですが、今日は少し厳しい話をさせていただきます。

 

皆さんは、当たり前のように高校を卒業して、専門学校に進学し、それが当たり前のことのように思われているかもしれませんが、今の世の中、それは当たり前のことではありません。

 

弁護士という仕事は、ものすごいお金持ちから、ものすごくお金に困っている人まで相手にしますが、 今の日本はどんどん格差社会が進行し、貧富の差が大きくなっていると感じます。お金がなくて、食べものが買えず、制服が買えなくて、中学校にも通えないという家庭もあります。

 

私も、実際に、毎日ネットカフェで寝泊まりをしたり、お金がなくて3日間ゴハンを食べていないという20代の男性に会ったことがあります。 また、経済的余裕がなく、中学を出たら高校には行かずに働くんだと言っていた娘さんもいました。

 

たとえぜいたくはできなくても、食べものに困ることなく、専門教育を受けられるということは、とても恵まれた、幸せなことなんです。

 

これまで愛情豊かに皆さんをはぐくみ、進学の機会まで与えてくれた、保護者の方々に対する、感謝の気持ちを忘れないで下さい。

 

では、その貴重な機会を、どう活かせばよいでしょうか。

 

これから過ごす1〜2年間は、自分の将来のための、投資の時間です。 この間、努力をして、結果を出せば、その分将来のリターンは確実に大きくなります。

 

なりたい自分になるには、とてもたくさんのエネルギーを必要としますし、つらい思いをするかもしれません。でも、後できっと、頑張って良かったと思えるときがやってきます。

 

今、皆さんは、ものすごく将来の可能性がある状態です。 しかし、その可能性は時間が経てば経つほど、どんどん狭くなっていきます。

私みたいな、おっさんになると、今から、なりたい自分になりたいと思っても、それは簡単なことではありません。

 

今から、1〜2年後に、皆さんは、自らが目指す専門の仕事についています。その仕事に必要な知識とスキルを身につけて下さい。 ここでの学校生活は、これからまだ50年以上もある、皆さんの今後の人生に重大な影響を及ぼします。 くれぐれも悔いの残らないように過ごして下さい。

 

最後に、皆さんが充実した学校生活を送られることを祈念いたしまして、私からのお祝いの言葉にかえさせていただきます。