霞が関パートナーズ法律事務所の弁護士伊澤大輔です。

 

民事訴訟が始まって何回かの裁判期日は、口頭弁論といって公開の法廷で審理が行われますが、原告と被告との間で、主張と反論が1、2往復したあたりで、弁論準備手続きに付されるのが一般的です。

 

この弁論準備手続きというのは、公開の法廷ではなく、書記官室近くにある準備室(小さな会議室のような部屋)において、裁判官と原告・被告両当事者がテーブルを囲んで、争点や、今後の裁判の進め方について話し合いをする手続きです。文書の証拠調べをすることもできます(民事訴訟法第170条2項)。

何回か期日を重ね、主張や立証もほぼ尽きると、和解についての話合いが行われることもあります。

 

弁論準備手続きは、訴訟当事者だけでなく、会社の担当者や、当事者の付き添いで来た親族等も傍聴することができます。公開ではないのに、随分緩やかに傍聴できるんだなぁと今まで思っていましたが、民事訴訟法にちゃんと根拠条文がありました。第169条2項に「裁判所は、相当と認める者の傍聴を許すことができる。ただし、当事者が申し出た者については、手続を行うのに支障を生じるおそれがあると認める場合を除き、その傍聴を許さなければならない。」とあり、当事者が申し出た者については、原則、傍聴を許さなければならないんですね。