霞が関パートナーズ法律事務所の弁護士伊澤大輔です。

 

以前、事件・事故に関する示談書案をご説明させていただきました。

https://www.izawa-law.com//blog/2015/05/post-34-79548.html

 

そこで、今回は、貸したお金を分割弁済してもらう場合の合意書案についてご説明させていただきます。事例として、甲が乙に対し、口約束で平成27年1月15日に100万円を貸したが、これまでに断続的に合計23万円しか弁済されていないため、明確にするために、残りの77万円を毎月5万円ずつ(あまりの2万円は最後に弁済)弁済してもらう合意をすることにしましょう。

 

合 意 書

貸主●●(以下、「甲」という。)と、借主××(以下、「乙」という。)は、乙が甲から、平成27年1月15日に借り受けた100万円(以下、「本件借受金」という。)について、本日、次の通り合意する。※1

1 乙は、甲に対し、本件借受金残債務として金77万円の支払義務のあることを認める。

2 乙は、甲に対し、前項の金員を、次の通り分割して、甲名義の口座(■■銀行■■支店。普通預金口座 1234567)に振込送金する方法にて支払う。なお、送金費用は乙の負担とする。※2

(1)平成27年9月から平成28年11月まで毎月20日限り金5万円ずつ

(2)平成28年12月20日限り金2万円

3 乙が前項の金員の支払いを怠り、その額が金10万円に達したときは、当然に期限の利益を失う。※3

4 前項の場合、乙は、甲に対し、第2項の金員の残金のほか、期限の利益を喪失した日の翌日から支払済みに至るまで残額に対する年1割の割合による遅延損害金を支払う。

5 甲と乙は、甲乙間に本合意書に定めるほか、何らの債権債務がないことを相互に確認する。

以上

平成27年9月8日

  甲          ㊞

  乙          ㊞

 

※1 「本件貸金」と表現することもあるようですが、確認の主体は、借主(債務者)である乙ですから、「本件借受金」と表現するのが妥当とされています。

※2 毎回、現金で持参してもらう場合には、「乙の自宅に持参して支払う。」と記載することになります。振込の方が簡便でよいでしょう。

※3 分割払いの合意をし、期限の猶予を与えたとのに、約定通り弁済をしなかった場合に、期限の利益を喪失させるための過怠約款と呼ばれるものです。2回怠ったときに期限の利益を喪失されるのが一般的ですが、「2回怠ったとき」と記載するだけでは、2回続けて履行を怠ったときか、通算して2回怠ったときか、1部履行したときは含まれるかといった疑義が生じることから、例のように、2回分の金額で明示すべきです。