霞が関パートナーズ法律事務所の弁護士伊澤大輔です。

 

皆さんが弁護士に依頼しようとする場合、重大な関心事は、弁護士費用がいくらかかるのかということではないでしょうか。弁護士に、相手方との交渉や、訴訟を依頼するとなると、どうしても数十万円はかかってしまいますので、高いと感じるかもしれません。1回で数十万円の買い物なんて滅多にしませんし、それと同価値の自分の気に入った商品が手に入るわけでもありませんので、尚更だと思います。

医療には健康保険が適用され、自己負担はその一部で足りますが、弁護士費用の場合には、自ら、それが支払われる特別な保険に入っていない限り、全額自己負担であることも関係あるでしょう。

 

しかし、依頼を受ける弁護士側からすると、売上から事務所の家賃や、事務員の人件費等の経費を捻出する必要があり、一つの事件を受けるとなると、その事件の性質や内容にもよりますが、打合せや、証拠の分析、文献や判例の調査、交渉、訴状・答弁書・準備書面といった各書類の作成、裁判所への出頭等で解決するまでに、数十時間を要することがありますので、どうしても、その程度の弁護士費用をいただく必要があるのです。弁護士は、有限な時間を切り売りする仕事であり、いただいた弁護士費用のうち自分で自由に使えるお金は一部にすぎないということをご理解いただければと存じます。

 

貸したお金の回収や、損害賠償金の支配を受けるなど自己の利益を実現できる場合には、その利益を実現するためのコストとして納得がいくものか否かご判断いただければと存じます。反対に、相手方から請求を受けている場合には、そのまま放置したり、対応を誤ったりすると、相手方の請求が認められてしまうリスクがあり、専門家である弁護士に依頼して、そのリスクを軽減するためのコストとして妥当か否かご判断いただければと存じます。

 

また、相手方から、威迫的で、執拗な要求を受けており、精神的につらい思いをしている場合には(そういう方はたくさんいらっしゃいます)、弁護士に依頼をして、防波堤になってもらい、そのような状況から開放されるための対価だと考えて頂ければと存じます。