霞が関パートナーズ法律事務所の弁護士伊澤大輔です。

 

ご相談を受ける度に、日頃から気をつけて、こうしておけば、紛争になることもなく、仮に紛争になったとしても有利に解決できたのにと思うことがあります。

紛争リスクを軽減するために、とても簡単で基本的なことだけど、最も大事なこと、それは・・

 

自分に有利なことは書面に残し、自分に不利なことは書面に残さない

 

ことです。実にシンプルで、簡単なことですよね。でも、日頃からこれができていないばかりに紛争を招いたり、敗訴してしまうのです。金額の大きい取引でも、結構あります。

 

言うまでもなく、重要な取り決めは、契約書や合意書にし、相手方の記名・押印をもらっておくべきです(但し、その内容が間違っていたら、意味が無く、かえって有害です。契約書等のレビューが重要なのはそのためです)。

相手方との関係や取引内容から、契約書等をとるような仰々しいことはできないというのであれば、相手方からFAXやメールをもらっておくだけでも構いません。訴訟になった場合、これらも重要な証拠になり得、その中に代金額や合意した内容や条件の記載があるため、勝訴できるということも多々あります。

くれぐれも、面談や電話による口約束だけで済ませてはいけません。電話等で相手方から了解が得られたとしても、重要な内容は、その後、相手方に、メール等で送り、返信をもらうようにして下さい。

 

他方、自分に不利なことは書面に残さないということは、例えば、ミスをしてしまった場合に、安易に謝罪文を出したりせず、直接相手方のところに出向いて口頭で謝罪するといったことです。その方が自分が非を認めたということが証拠に残りにくい反面、誠意を伝えやすく一石二鳥です。

 

また、大して返事が遅くなったわけではないにもかかわらず、メールの冒頭に「ご返信が遅くなり、申し訳ありません。」などと毎回、枕詞のように書かれる方がいらっしゃいます。書いた本人の単なる口癖(書き癖?)で、挨拶文のようにしか思っていないのかもしれませんが、これは有害です。何かトラブルが起こったとき、相手方から、業務が遅れていた証拠のように使われてしまいます。

 

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