霞が関パートナーズ法律事務所の弁護士伊澤大輔です。

 

外国人から委任を受け、訴訟提起した事案について、先日、簡易裁判所の担当裁判官から、日本に裁判管轄があるのか、日本法が適用されるのかについて、主張してほしいと言われました。

 

当方(原告)は外国人ですが日本に居住している方で、被告も日本人ですし、日本にある建物の契約に関する訴訟でしたので、当然のことながら、日本で訴訟提起でき、日本法が適用されるものと思い込んでいましたが(結論として、正しかったです。)、いざその法的根拠となると、日頃意識していませんでしたので、調べてみました。

 

平成23年に民事訴訟法が改正され、人に対する訴えで、その被告の住所が日本国内にあるとき、住所がない場合又は住所が知れない場合にはその居所が日本国内にあるときなどは、日本に裁判管轄があることが明示されました(民事訴訟法第3条1項)。

また、法人や社団、財団に対する訴えについて、その被告法人等の主たる事務所又は営業所が日本国内にあるときも、日本に裁判管轄があります(同条3項)。

このように、被告の住所や事務所等の所在地が日本である場合のほか、契約において定められた債務の履行地が日本国内にあるときも、日本に裁判管轄があります(同法第3条の3第1号)。

 

次に、どの国の方が適用されるかということについては、平成19年に施行された「法の適用に関する通則法」という法律に定められており、当事者間でどの国の法を適用するという準拠法の選択がないときは、当該法律行為の当時において、当該法律行為に最も密接な関係がある地の法が適用される旨定められています(第8条1項)。

したがって、頭書の事案では、日本法が適用されることになります。

 

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