霞が関パートナーズ法律事務所の弁護士伊澤大輔です。

 

先日、東弁民暴委員会の、私が副委員長として担当する部会が主催で、民暴事件に関する研修会が開かれました。弁護士向けの研修会だったのですが、一般の方にも参考になる対応方法を若干ご紹介させていただきます。

 

「誠意が足りない」、「誠意を見せろ」と言われた場合

反社会的勢力の常套句で、クレーマーからも言われることがよくあります。暗にお金を要求しているのでしょうが、このように言われた場合、わかっていながら、相手方に対し、「あなたのおっしゃる誠意とは何でしょうか?」と問い返してみることをお勧めします。先に相手方の要求内容を明確にすることは、メリットがあります。

これに対し、「そんなこともわからないのか。それを考えるのがお前の仕事だろう。」と言われたら、「こうしてお会いし、お話しをお伺いし、事実の調査、対応をしているのが当方の誠意です。」としらっと回答していただければ結構です。相手方との間で、誠意があるか否かを議論する必要はありませんし(そのような不毛な議論をしてはいけません)、安易に法的根拠のないお金を支払ってはいけません。

 

「今すぐ結論を出せ。」、「お前の回答次第で、会社はとんでもないことになるぞ」と言われた場合

反社会的勢力は即断即決を求めます。しかし、事実関係を確認した上、会社としての方針決定を経なければ、回答のしようがない場合があります。そのような場合には、「事実関係を確認した上、会社としての判断を経なければ、回答のしようがありません」という回答を繰り返せば結構です。

すぐに回答のしようがないことは、回答できなくても仕方がありません。また、相手方の言動は、当方ではコントロールのしようがないわけですから、その結果、相手方がどのような行動をとろうが、担当者として責任を感じる必要はないのです。

 

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