ポイントサービスに関する法規制
虎ノ門桜法律事務所の代表弁護士伊澤大輔です。
ポイントサービスは、資金決済法の規制対象になるでしょうか?
先日、スマホ向けアプリを開発している企業の方からご相談を受けました。
利用者が、事前にポイントを購入し、システムを利用するというスキームでしたが、この場合には、資金決済法の規制対象になります。
このように、利用者が対価を支払って発行されるポイントサービスは、前払式支払手段に該当し、資金決済法の適用を受けます。
LINEポイントなどがこの例として挙げられます。
これに対し、事業者が、利用者から対価を受けることなく、景品やおまけとして付与するポイントサービスについては、前払式支払手段には該当せず、資金決済法の規制対象外です(現時点において。将来的には規制対象になる可能性があります)。
ツタヤポイントや、各家電量販店、ドラッグストアなどのポイントサービスがこの例として挙げられます。
もっとも、ポイントが対価を支払って発行されたものか否かについて判断が難しい場合もあり、このような場合には、社会通念に照らして判断されることになります。利用者が対価を支払って、ポイントを取得したと認識するかどうかが1つの判断要素となります。
ポイントが景品やおまけとして付与される場合、景品表示法の規制に基づき、取引価額の10分の2以内(取引価額が1000円以上の場合)でなければなりませんが、このような範囲内で付与されたポイントは、資金決済法の規制対象外と考えてよいでしょう。