弁護士ブログ

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    2018.05.30

    人を残して死ぬ者は上

     

    虎ノ門桜法律事務所の代表弁護士伊澤大輔です。

     

     

     金を残して死ぬ者は下、

     仕事を残して死ぬ者は中、

     人を残して死ぬ者は上

     

    昭和4年、遊説に向かう途中で倒れ、京都で没した、後藤新平が死ぬ間際に語った言葉と伝わっています。

     

    後藤新平は、安政4年、伊達家留守家の家臣の長男として奥州で生まれました。8歳ころから漢学を学び、県の大参事に認められ、書生となり、その後、医学校に進学し、医者として歩み始めます。

    相馬事件に連座して収監されたりもしますが、後に、台湾総督府民政長官、満鉄初代総裁等を務めた人物です。

     

    明治の偉人には足元にも及びませんが、私も常々、お金を残すことは意味がないけど、生きて行く術を与えることができたらと考えておりましたので、感銘を受けた言葉として、ご紹介させていただきました。

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    2018.05.29

    企業の皆様、GDPRにご注意を!

     

    虎ノ門桜法律事務所の代表弁護士伊澤大輔です。

     

    今月25日、EUにノルウェー、アイスランド、リヒテンシュタインを加えたEEA(欧州経済領域)における個人データの新たな法規制、GDPR(一般データ保護規則)が施行されました。

     

    GDPRでは、EEA域内31カ国に所在するすべての個人データの処理(収集や保管)に厳格さが求められ、原則として、個人データの域外への持ち出しが禁止されます。 違反者には、最高で、世界売上高の4%か2000万ユーロ(約26億円)のいずれか高い方という巨額の制裁金が科せられる点もインパクト絶大です。

     

    ヨーロッパに営業拠点なんてないし、うちの会社にGDPRは関係ないと考える方もいらっしゃるかもしれませんが、それは、それは誤解かもしれません。 GDPRは域外適用される場合があるからです。

     

    個人情報

     

     

     


     

    ◆EEA域内に拠点がなくても、GDPRが域外適用される場合がある。

     

    EEA域内に拠点がなくても、日本から直接、域内の個人に対し商品やサービスを提供する場合や、域内で行われる個人の行動のモニタリングに関連する個人データの処理は、GDPRの適用対象になります(第3条2項)。そのサービスの提供が有償か無償かを問いません。

     

    例えば、日本の旅館やレストランなどが外国人向けに予約サイトで予約をとっている場合や、EEA域内のユーザー向けにスマホアプリを利用させているような場合に、GDPRの適用対象になる可能性があります。

     

    このような場合に、域外適用されるか否かは、EEA域内の個人に対して商品やサービスを提供することを想定していることが明らかどうかで判断されます。

     

    その判断要素は、①域内からのアクセス可能性、②使用言語、③決済に利用可能な通貨、④その他ウェブサイト上にEEA域内の個人を想定した記載があるか、です。

     

    単に、ウェブサイトに英語版のページを用意しているというだけでは、GDPRが適用される可能性は低いと考えられますが、EEA加盟国で使用されている言語や通貨を用いて、商品等を注文する可能性がある場合には、GDPRが適用される可能性は否定できません。

     


     

     

    ◆GDPRは企業の規模に関係なく適用される。

     

    また、GDPRは、大企業だけが考えればいい問題で、うちのような中小・零細企業には関係がないと考える経営者の方もいらっしゃるかもしれませんが、それも誤解です。

     

    GDPRは、会社の規模を問わず、中小・零細企業にも適用されます。また、企業だけでなく、公的機関や地方自治体、非営利団体にも適用されます。

     


     

     

    ◆BtoB取引だけだから、GDPRは関係がないという誤解

     

    あるいは、EEA域内に営業拠点や工場等があっても、うちの会社は、BtoB取引だけで、個人データを取り扱わないから、GDPRは関係がないと考えている担当者の方もいらっしゃるかもしれませんが、これも誤解です。

     

    域内の工場で現地従業員を雇用している場合はもちろんのこと、現地子会社に日本の本社から、日本人を出向させているような場合にも、その従業員の個人データがGDPRの保護対象になります。

     

    GDPRは、EEA域内に「所在」する個人の個人データに適用され、国籍や居住地を問わず、出向や出張、旅行で域内の国を訪れている個人の個人データも保護対象となるからです。

     

     

     

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    2018.05.25

    日大は悪質タックルによる損害賠償責任を負うか?

     

    虎ノ門桜法律事務所の代表弁護士伊澤大輔です。

     

    今、日大アメフト部の悪質タックル問題が、世間の関心を集めています。

    前監督やコーチの指示があったのか否かや刑事責任、事件後の日大の対応のまずさばかりが報道されていますが、日々、損害賠償事案を扱う私としては、ついつい民事上の損害賠償責任が気になってしまいます。

     

    そこで、損害賠償義務を負うか否かについて、弁護士がどのような思考をするのか追体験していただくため、今回は、悪質タックルによって怪我をした関西学院大の選手が、日大に対して、損害賠償請求をすることができるかについて、検討していきたいと思います。

     

     


     

    ●法的構成

     

    関西学院大の選手と、日大ないしそのアメフト部関係者との間には、何ら契約関係があるわけではありませんので、不法行為に基づく損害賠償請求しか考えられません。

     

    この点、在校生が部活動等で怪我をした場合に、在籍している学校に対し、在学契約における安全配慮義務違反等を理由として、契約に基づく損害賠償請求するケースとは、事案を異にしますので、注意してください。

     


     

     

    ●日大選手の損害賠償責任

     

    日大の損害賠償責任を検討する前提として、まず悪質タックルをした日大選手が損害賠償責任を負うかを検討する必要があります。

     

    怪我をさせた以上、当然負うだろうとお考えの方もいらっしゃるかもしれませんが、原則的に、スポーツ競技による事故は、正当業務行為として、違法性が阻却され(刑法第35条参考)、損害賠償責任を負いません。

     

    もっとも、今回のタックルは、怪我をさせることを目的とした、故意による、明らかにルールを逸脱した危険、悪質なタックルですので、正当業務行為の範疇を逸脱しており、当該タックルをした日大選手は不法行為(民法第709条)に基づく損害賠償責任を負うと考えられます。

     

     


     

     

    ●前監督・コーチの損賠賠償責任

     

    前監督やコーチが、(怪我をさせることを目的とした)悪質タックルを指示したか否かについては争いがありますが、もし指示をしていたのであれば、共同不法行為(民法第719条)に基づく、損害賠償責任を負います。

     

    また、具体的指示がなかったとしても、日大選手の悪質タックルについて、使用者責任(代理監督者責任。民法第715条2項)を負う可能性があります。

     


     

     

    ●日大の使用者責任

     

    日大に対する、使用者責任(民法第715条)に基づく、損害賠償請求の可否を検討することになります。

     

    日大と前監督やコーチとの間に使用関係があるとされるためには、雇用契約が存在する必要はありません。

    雇用か業務委託かや、両者の間に契約関係が存在するかどうかといった点は重要ではなく、実質的にみて使用者が被用者を指揮監督するという関係があれば足ります(実質的指揮監督関係)。他方、独立性・自由裁量性の高い場面では、使用者責任は成立しません。

     

    しかも、使用関係は、使用者が被用者を実際に指揮監督していたかどうかという点に即して判断されるのではなく、指揮監督すべき地位が使用者に認められるかどうかという点に即して判断されます。

     

    この点、中学校や高校においては、学校の教職員が部活動の指導をしていることが多いでしょうし、校長の監督を受け、部活動の技術指導や大会への引率等を行うことを職務とする「部活動指導員」が学校教育法施行規則に新たに規定され、平成29年4月1日から施行されましたので、容易に指揮監督関係が認められ、学校の使用者責任が認められやすいと言えます。

     

    これに対し、私立大学における部活動の法令上の根拠はないようであり、日大と前監督やコーチの契約関係や、規則等実態を精査する必要がありますが、報道によると、前監督は日大の常務理事であることなどからすると、日大の使用者責任に基づく使用者責任が認められる方向に考えられるでしょう。

     


     

     

    ●理事の不法行為による日大の責任

     

    前述の通り、前監督は、日大の常務理事のようです。

     

    一般社団法人及び一般財団法人に関する法律第78条には、「一般社団法人は、代表理事その他の代表者がその職務を行うについて第三者に加えた損害を賠償する責任を負う」と定められています。

     

    そして、日大は、私立学校法に基づく学校法人であり、学校法人には、上記規定が準用されていますので(私立学校法第29条)、同規定に基づく損害賠償請求が考えられます。

     

    もっとも、上記規定における「その他の代表者」とは、代表理事の職務を一時行う者、代表理事の職務代行者、清算人などの法人代表機関であり、代表理事から委任を受けた副代理人や代表権を有しない理事はこれに含まれません。

     

    結論として、常務理事は、「代表理事その他の代表者」に該当しませんので、この規定に基づき、日大に対し損害賠償請求することはできないでしょう。

     

     

     

     

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    2018.05.24

    賃貸借契約が解除できなければ、更新拒絶すればいい!?

     

    虎ノ門桜法律事務所の代表弁護士伊澤大輔です。

     

    賃貸人が、賃借人の賃料不払いを理由に賃貸借契約を解除するには、賃借人が数ヶ月分の賃料を滞納していることが必要です。

    賃貸借契約の解除には信頼関係の破壊が必要であるところ、1ヶ月程度の賃料滞納や遅れ遅れではあるけれども催告をすれば賃料を支払ってきているという状況では未だ信頼関係が破壊されているとまでは言えないからです。

     

    これに対し、時々、「解除はできないのであれば、間も無く賃貸借契約の期間満了なので、更新拒絶すればいい。」と言われる賃貸人や不動産業者の方がいらっしゃいます。

     

    しかし、賃貸人から更新拒絶をするには、正当事由が必要であり、更新拒絶が無条件にできるわけではありません(借地借家法第28条)。

     

    正当事由の有無は、賃貸人が建物の使用を必要とする事情や、反対に賃借人が建物の使用を必要とする事情を主として、これに従前の経過や、建物の利用状況、建物の現況、立退料支払いの申出等を補充的に考慮して判断されます(同条)。

     

    賃料不払いや、滞納を繰り返していることは、正当事由を認める積極要因にはなりますが、いずれにせよ正当事由の有無は、賃貸人及び賃借人の建物の使用を必要とする事情をはじめ、債務不履行の程度等の、総合考慮によって判断されます。

     

    また、更新拒絶をするには、期間満了の1年前から6ヶ月前までに通知をしなければならないことも注意が必要です(借地借家法第26条1項)。

     

    したがって、基本的には、やはり賃借人の債務不履行による信頼関係の破壊を理由とする、賃貸借契約の解除が可能か否かを検討すべきでしょう。

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    2018.05.18

    源氏物語を知っていますか

     

    虎ノ門桜法律事務所の代表弁護士伊澤大輔です。

     

    阿刀田高さんの「●●を知っていますか」シリーズ、私は昔からのファンで、「ギリシア神話を知っていますか」をはじめ、全シリーズ読破しています。

     

    先日、「源氏物語を知っていますか」を読み終わったところですが、実に面白く、続けて読み直しているところです。

     

     

    源氏物語

     

    源氏物語を読んで改めて驚いたことですが、恋い焦がれたり、嫉妬に狂ったり、つれなくされ思い悩んだり、すれ違ったり、世を儚んだり・・・と、1000年前のやんごとなき王朝人も、現代人と同じ感情をいただき、同じことを考えていたんですね。

     

    ところで、源氏物語には、藤壺や、紫の上、玉鬘、浮舟といった有名なヒロインが数多く登場します。それに比べるとマイナーかもしれないけれど、私が好感を持った女性を二人ほど紹介させていただきます。

     


     

     

    末摘花(すえつむはな)

     

    源氏物語には、一人だけ、「末摘花」と呼ばれる、とても醜い女性が登場します。

    「胴長で、顔色は青く、とりわけみっともないのは鼻・・・。普賢菩薩の乗っている象の鼻みたい。長く伸びて垂れ、先端が赤い。ひどく長い顔。」と紹介しています。

     

    ただ頭の形は美しく、とりわけ髪は黒々として長く、床に広がり溢れています。

     

    末摘花は、貴い出自の姫君なのですが、後見する者は絶え、生活に困窮し、蓬が生い茂り、庭は荒れ果て、土塀も崩れ、家屋は狐狸や野鳥のすみかと化しています。

     

    ついに、身の回りの世話をしてきた信ずべき侍従も去る時がくるのですが、形見に贈る品も見当たらず、末摘花は、精一杯の餞別として、自分の髪の落ちたのをまとめて、カツラとしたのを由緒ある香と共に立派な箱に入れて渡すのです。別れの悲哀がしみじみと描かれています。

     

    幸い、この後、末摘花は、源氏の君の庇護を受けることになります。

     

    空蝉


     

     

    朝顔の姫君

     

    ご承知の通り、源氏の君は、間然として非の打ち所がないプレイボーイです。

     

    しかし、そんな源氏に口説かれても、心を許そうとしない姫君も中には登場します。それが朝顔の姫君です。

     

    朝顔の姫君は、賀茂神社の斎院(神に奉仕する皇女)の任を解かれた後、叔母である女五の宮と共に暮らしはじめますが、老いさらばえた女五の宮は、「源氏が朝顔の姫君の婿になってくれれば、私も安泰・・・」と考えているようです。

     

    また、朝顔の姫君の周辺にはべる女房たちもみんな、源氏を大絶賛し、「もったいないわ。なんで姫君はあんなにつれなくなさるのかしら」と不満いっぱいです。

     

    しかし、朝顔の姫君は、そんな四面楚歌の状況下、どんなに源氏に言い寄られても、「ほかの女にあなたが示した浮気ごころを私自身あえて体験しようとは思いません。」と、決して源氏を寄せ付けません。

     

    利益に負けたり、周りの意見に流されず、自分の気持ちに正直に、それを貫く心構えや実に立派!と、私は強く共感したのでした。

     

     

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    2018.05.17

    ライセンス契約における改良技術の取扱い

     

    虎ノ門桜法律事務所の代表弁護士伊澤大輔です。

     

    契約書は、自社に有利な内容にするのが基本ですが、ライセンス契約など業務提携契約において、何でもかんでも自社に有利な内容にしようとすると、うっかり独占禁止法に違反してしまう場合があります。

     

    特に、ベンチャー企業にとって、自社が保有する技術やノウハウを他の企業に提供したり、他の企業からその技術等の提供を受けたりするにあたり、ライセンス契約は重要な契約の一つであり、注意が必要です。

     

    今回は、ライセンス契約における改良技術の取扱いについて、ご説明させていただきます。

     

     


     

     

    ●独占禁止法に違反するおそれがある規定

     

    ランセンサー(知的財産権を保有し、権利の利用を許諾する側)であるX社としては、ライセンシー(権利の利用を許諾される側)であるY社が、ライセンス技術に基づき開発した改良技術についても、自社に帰属させたいと考えるかもしれません。

     

    しかし、Y社が開発した改良技術について、Y社に次のような義務を課す定めは、原則として、「不公正な取引方法」(一般指定第12項)に該当し、独占禁止法に違反します。

     

     ・X社にその権利を無償で帰属させる義務(アサインバック)

     ・X社に独占的ライセンスをする義務(グラントバック)

     

    このような行為は、技術市場におけるライセンサーの地位を強化し、他方、ライセンシーに改良技術を利用させないことによりライセンシーの研究開発意欲を損なうものであり、通常、このような制限を課す合理的な理由があるとは認められないからです。

     


     

     

    ●独占禁止法に違反しない規定

     

    他方、ライセンシーY社が開発した改良技術が、ライセンス技術なしには利用できないものである場合に、Y社に次のような義務を課す定めは、原則として、独占禁止法に違反しないとされています。

     

     ・改良技術をライセンサーX社に対し、通知・開示する義務

     ・改良技術に関わる権利を相応の対価でX社に対し譲渡する義務

     ・改良技術をX社に非独占的にライセンスする義務

     

    通常、Y社としては、自ら開発した改良技術を自社でも利用したいと考えるでしょうから、改良技術をX社に非独占的にライセンスする義務を、Y社に課すというのが一般的でしょう。

     

    この場合、X社に「無償」で非独占的ライセンスをすることにしても、独占禁止法に違反しないと考えられますが、そのような提案をしても、Y社としては、難色を示すでしょう。

     

    そこで、X社がY社に、相応のロイヤリティ(対価)を支払うことにすることが穏当です。

    もっとも、改良技術がどの程度有用なものかは予めわからず、その額をあらかじめ定めることは困難なことから、ロイヤリティの額や支払い方法については、改良技術をライセンスする段階で、別途協議することになります。

     

     

     

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    2018.05.07

    母の日の赤いベゴニア

     

    虎ノ門桜法律事務所の代表弁護士伊澤大輔です。

     

    母の日というと、赤いカーネーションを連想しますが、最近は必ずしもそうではないようです。

     

    お花屋さんによれば、母の日の花として、今年はアジサイが多く出回っているとのことでした。

     

    私は、連休中に、ふらっと立ち寄った、自宅近くのお花屋さんで見かけたベゴニアに惹かれ、会議室に飾ることにいたしました。

     

    赤いベゴニアの花言葉は、「公平」とのことで、法律家にふさわしいお花ですね。

     

    赤いベゴニア

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