弁護士ブログ

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    2018.12.28

    年末年始休業のお知らせ

     

    当事務所は、平成30年12月29日(土)から、平成31年1月6日(日)まで休業いたします。

     

    皆様のご健勝と益々のご発展を心よりお祈りいたしております。

    何卒、よいお年をお迎えください。

    新年もよろしくお願い申し上げます。

     

    虎ノ門桜法律事務所

    代表弁護士 伊澤大輔

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    2018.12.21

    【損害賠償】経済的全損の場合に、代車料が認められる期間

     

    虎ノ門桜法律事務所の代表弁護士伊澤大輔です。

     

    事故車両の修理費用が、事故車両の時価額*を上回る場合には、原則として、修理費用の請求はできません。この場合には、経済的全損として、車両時価額の範囲でしか、損害賠償請求することはできません。

     

    *正確にいうと、自動車税や登録費用、車庫証明費用、納車費用、廃車費用など、別途新たな車両の購入にかかる諸費用も含みます。

     

    このような経済的全損の場合には、新たな車両を購入する必要が出てきますが、新たな車両が納車されるまでの間、代車を利用した場合、代車料の損害賠償請求も認められるでしょうか。認められるとして、どのくらいの期間認められるでしょうか。

     

    事故車両

     

    ■原則、30日程度


     

     

    大阪地裁平成13年6月8日判決は、代車の必要期間を買換相当期間によるべきであるとし、その期間は、購入車両の選択、諸手続の上、納車されるまでの期間を考慮して30日が相当であると判示しています。大阪地裁平成24年3月26日判決も同様の判断をしています。

     

    もっとも、保険会社による事故車両の調査や、修理費用の見積もりをとり、経済的全損か判断するのに時間がかかったような場合には、+10日〜15日程度の代車料が認められる場合もあります。

     

     

    ■仮定的代車料の問題


     

     

    それでは、代車が必要であったとしても、実際には、代車を使用しなかった場合や、他の所有車を使用したり、他人から無償で自動車を借りて使用した場合にも、代車料を請求することはできるでしょうか(いわゆる仮定的代車料の問題)。

     

    このような場合には、現実には、代車料負担の損害は発生していないから、基本的に、請求は認められないというのが裁判例(東京地裁平成12年8月23日判決、同平成13年1月25日判決)です。

     

     

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    2018.11.19

    新しいデミタスカップが入荷しました。

     

    虎ノ門桜法律事務所の代表弁護士伊澤大輔です。

     

    中目黒にある、私のお気に入りのカフェでは、通常のコーヒーカップよりも、ふた回りくらい小さいデミタスカップで、淹れたてのコーヒーが提供されます。

     

    カラフルだったり、美しい模様だったり、毎回違ったデミタスカップで出てくるのですが、最近、それを眺めているうちに、「当事務所でも、素敵なデミタスカップで、お客様をおもてなししたい!」という気持ちが強くなり、間も無く、当事務所が開設2周年を迎えるお礼の意味も込めまして、先週末、揃えてまいりました。

     

    ウェッジウッドと、ヘレンドのティーカップ&デミタスカップです。

     

    ご相談の後、コーヒーを飲みながら、寛いでいただければ幸いです。

     

    2つのティーカップ

     

    デミタス1

     

    デミタス2

     

    2つのデミタスカップ

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    2018.10.25

    【相続】死亡退職金は遺産分割の対象になるか?

     

    虎ノ門桜法律事務所の代表弁護士伊澤大輔です。

     

    最近ご相談を受けた中で、死亡退職金の遺産性が問題になった事案がありましたので、今回は、裁判実務の傾向を整理しておきたいと思います。

     

    ちなみに、「死亡退職金」は私企業等の従業員が死亡した時に支給されるもので、公務員が死亡した場合に支給されるものは「死亡退職手当」、私企業の役員が死亡したときに支給されるものは「死亡退職慰労金」と呼ばれています。

     

    退職金

     

     

    ■私企業等の従業員の「死亡退職金」


     

     

    私企業等の従業員の死亡退職金の法的性質や遺産性は、一律に決することができず、具体的な事案に応じて個別に判断する必要があります。

     

    死亡退職金に関する支給規定があるか否か確認する必要があり、支給規定がある場合には、支給基準受給権者の範囲又は順位などの規定により、支給規定がない場合には、従来の支給慣行や支給の経緯等を考慮して、個別に、遺産性を検討することになります。

     

    一般的に、支給規定の受給権者の範囲又は順位が、民法の遺族の範囲及び順位と異なる定めがなされている場合には、遺産性が否定されることが多いです。

     

    私立の学校法人の職員の死亡退職金について、最高裁昭和60年1月31日判決は、死亡退職金の支給を受ける遺族は、職員の死亡当時、主としてその収入により生計を維持していた者でなければならないこと、第一順位は配偶者であること(内縁関係を含む)、配偶者があるとき、子は全く支給を受けないことなど、民法の規定する相続人の範囲及び順位決定の原則とは著しく異なった定め方をしていることから、遺族の生活保障を目的とし、遺族固有の権利であるとして、遺産性を否定しています。

     

     

    ■公務員の「死亡退職手当」


     

     

    受給者固有の権利であり、遺産にはなりません(遺産分割の対象にはなりません)。

     

    国家公務員退職手当法は、受給権者を遺族とし、受給権者の範囲及び順位を法定しており、受給権者の範囲及び順位は民法の定める相続人の範囲及び順位と異なっています。これは遺族の生活保障を目的としていると解され、遺産性はないとされています。

     

    地方公務員に対する死亡退職手当についても、国家公務員退職手当法と同様の内容を定めているときには遺産性が否定されます(最高裁昭和58年10月14日判決)。

     

     

    ■私企業の役員の「死亡退職慰労金」


     

     

    その遺産性は、支給規定、定款の定め、支給決議等の内容と支給の実情等に検討することになります。

     

    広島高裁平成12年2月16日判決は、「死亡した会社役員に対する退職慰労金が同人の相続財産に含まれるか否かは、その支給を決定した総会決議が、同人の相続財産とする趣旨で同人の相続人を支払対象者としてなされたか否かによって決せられるところ、本件決議は、本件退職慰労金の受給者が同人の内縁の妻及び法律上の妻のいずれかであることを当然の前提としているから、同人の相続財産ということはできない。」旨判示しています。

     

     

     

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    2018.10.05

    貴ノ岩の日馬富士に対する損害賠償請求の当否

     

    虎ノ門桜法律事務所の代表弁護士伊澤大輔です。

     

    大相撲の幕内貴ノ岩が元横綱日馬富士に対し、約2413万円の損害賠償を求める訴訟を提起しました。

     

    報道によれば、その内訳は、次の通りとのことです。

      

    入院・治療費  約436万円

    十両に転落しなければ得られたであろう給与  約148万円

    懸賞金の逸失分  900万円

    退職時の幕内養老年金等の減額分  172万円

    巡業手当の逸失分  38万円

    慰謝料  500万円

    弁護士費用  約219万円

     

    これに対し、日馬富士側は不調となった調停で50万円を提示したとされており、双方の金額にはかなりの開きがあります。

     

    日々、損保業務等で、損害賠償事案を多く取り扱っている私としては、貴ノ岩の損害賠償請求の当否が気になりましたので、今回は、この問題について検討して参ります。

     

     

    ■入院・治療費


     

     

    入院・治療費は、被害者が実際に支出した実費ですので、診療報酬明細書や領収証により支出したことの立証があれば、基本的には、損害賠償請求が認められます。

     

    しかし、貴ノ岩の怪我は加療12日間程度の怪我だったようですので、その怪我の程度に比べ、入院・治療費として約436万円というのはあまりにも高額です。

     

    損害賠償が認められる治療費は、必要かつ相当な実費の範囲に限られるところ、貴ノ岩の入院・治療費には、精神的な問題によるものや、報道陣から隠れるための任意のものも含まれていたと考えられ、その多くは傷害事件との相当因果関係がなく、損害として認められないでしょう。

     

    傷害事件により精神的ダメージを受けた治療費についても認められる余地がありますが、基本的には、貴ノ岩が肉体的な怪我を治すにあたり、必要性・相当性の認められる範囲に限られます。

     

     

    ■逸失利益


     

     

    十両に転落しなければ得られたであろう給与、懸賞金の逸失分、退職時の幕内養老年金等の減額分、巡業手当の逸失分は、いずれも逸失利益の(得べかりし利益が得られなかったことによる)損害賠償です。

     

    これらについては、貴ノ岩の加療12日間程度の怪我によって、相撲をとることができなかった(休場せざるを得なかった)期間がどの程度の期間か、その休場によって十両に転落したのか等を検討することになります。

     

    一般的には、治療期間中でも就労することは可能であり、治療期間以上に休業期間が認められることはありません。力士という職業の特性上、負傷によって稽古ができなかった影響は考慮されるかもしれませんが、加療12日間程度の負傷であったことからすると、十両に転落しなければ得られたであろう給与、懸賞金の逸失分による損害が認められるとしても、その割合的ごく一部が認められるに過ぎないのではないかと思料します。  

     

     

    ■慰謝料


     

     

    入通院慰謝料は、基本的に、入通院の期間や、実通院日数をベースとして、算定されます。裁判基準において、1ヶ月の通院で28万円、2ヶ月の通院でも52万円ですので、加療12日間程度の怪我であったという貴ノ岩の慰謝料として500万円の請求は高額でしょう。

     

    本件は、過失による事故ではなく、故意による傷害事件であり、その分悪質性が高いですが、それでも、上記裁判基準の何割か増し程度の増額が一般的でしょう。

     

     

    ■弁護士費用


     

     

    不法行為等による損害賠償請求の訴訟(売買代金請求や貸金返還請求などその他の金銭請求事件では、弁護士費用の請求は認められません。)では、治療費や休業損害、慰謝料等の合計額の1割程度を弁護士費用相当の損害として請求するのが一般的です。

     

    判決でも、実際の認容額の1割程度が、弁護士費用として、事件・事故と相当因果関係のある損害として認められます。

    例えば、貴ノ岩の治療費や逸失利益、慰謝料が、合計200万円が妥当と判断される場合には、20万円が弁護士費用相当額の損害として認められることになります。

     

     

     

     

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    2018.09.19

    秋の草花が華やかになりました。

     

    虎ノ門桜法律事務所の代表弁護士伊澤大輔です。

     

    当事務所エントランスに活けてある、秋の草花も彩りよく、華やかになりました。

     

    秋の草花2018

     

    ムラサキシキブ、

    ケイトウ(ローズベリー・パフェ)、

    ヒペリカム、

    ハイビスカスの実、

    石化柳、

    オクラ、

    イガナス、

    ガマ

    などです。

    すみません、小さな赤い実と、オレンジの実の名前は忘れてしまいました。

     

    今回は、一度に活けたわけではなく、私がお花屋さんの店頭で気に入った草花を、継ぎ足し、継ぎ足ししてきたら、こんな感じになりました。

     

    皆様も、季節の移ろいを感じていただけたのであれば、幸いです。

     

     

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    2018.09.18

    どのような場合に、保全手続の担保金を取り戻せるか?

     

    虎ノ門桜法律事務所の代表弁護士伊澤大輔です。

     

    最近立て続けに、仮差押や仮処分手続の担保金の取り戻しが問題となる事件について、ご相談やご依頼がありましたので、整理をしておきます。

     

    仮差押や仮処分手続では、保全執行実施の条件として、裁判官が定めた額の担保金を供託する必要がありますが、どのような場合に、その担保取消が認められるかという問題です。

     

     

    ■勝訴判決が確定した場合


     

     

    本案訴訟において、債権者勝訴の判決が確定した場合には、担保取消が認められます。

     

    例えば、建物明渡しを認めた判決が確定すれば、占有移転禁止の仮処分において提供した担保の取消が認められますし、売買代金の支払いを命じる判決が確定すれば、預貯金債権の仮差押において提供した担保の取消が認められます。

     

    債権者は、被保全権利全部について本案訴訟で勝訴することが必要ですが、一部敗訴部分があっても、債務者に損害が生じる余地が稀有と認められる場合には、担保事由が消滅したものとされます。

     

     

    ■担保権利者の同意による場合


     

     

    担保権利者(仮差押や仮処分手続きの債務者)が担保取消に同意した場合には、担保金を取り戻すことができます。

     

    実務上、担保権利者本人の同意の場合には、同意書の真正な成立を証するため、同意書とともに、同意書に押印した印鑑の印鑑証明書を提出する必要があります。

     

    一般的には、本案訴訟で訴訟上の和解が成立することが多く、この場合には、担保取消と、担保取消決定についての即時抗告権の放棄の条項、すなわち、「被告は、原告に対し、原告が●の仮処分命令申立事件について供託した担保(●法務局平成●年度金第●号)の取消しに同意し、その取消決定に対し抗告しない。」が入ることになります。 この場合には、印鑑証明書は必要ありません。

     

     

    ■権利行使の催告により同意が擬制される場合


     

     

    本案訴訟提起前に、仮差押や仮処分の申立ての取り下げなどがされた場合、担保提供者の申し立てにより、裁判所は、担保権利者に対して、一定期間内に損害賠償請求権を行使すべき旨を催告します。

     

    担保権利者がその期間内に権利行使をしなかった場合は、担保取消しに同意したものとみなされ、担保金の取り戻しができます。

     

    もっとも、既に本案訴訟が提起されている場合には、仮差押等の取下げなど民事保全手続きの完結だけでは足りず、本案訴訟の完結が必要です。

     

     

     

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    2018.08.10

    夏期休業のお知らせ

     

    当事務所は、平成30年8月11日(土)〜14日(火)まで、夏期休業となります。

     

    ご迷惑をお掛けしますが、よろしくお願いいたします。

     

    虎ノ門桜法律事務所代表弁護士伊澤大輔

     

     

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    2018.07.27

    【景表法】食品の優良誤認表示

    虎ノ門桜法律事務所の代表弁護士伊澤大輔です。

     

    今回は度々起きる、食品の優良誤認表示について、景品表示法上の問題点についてご説明させていただきます。

     

    和牛

     

     

    ■優良誤認表示とは?


     

     

    商品・サービスの品質、規格、その他の内容について、一般消費者に対し、実際のもの(あるいは、競争関係にある他の事業者のもの)よりも著しく優良であると誤認表示される表示を「優良誤認表示」といい、景品表示法で禁止されています(第5条1号)。

     

    これに対し、商品・サービスの価格、その他の取引条件についての不当表示は、「有利誤認表示」といい、これも景品表示法で禁止されています(同条2号)。

     

     

    ■「品質、規格、その他の内容」とは?


     

     

    「品質」とは、成分(原材料、純度、濃度、混用率、添加物の有無など)と、属性(性能、効用、安全性、衛生性、鮮度、栄養価、味、香りなど)のことです。

     

    「規格」とは、例えば、JAS規格、牛乳・乳製品の規格、公正マークなど、公的又は私的機関が定めた各種の規格、等級、基準などを意味します。

     

    「その他の内容」には、原産国(地)、製造方法、受賞の有無、有効期限などが含まれます。

     

     

    ■「一般消費者」とは?


     

     

    普通の消費者、平均的な消費者という意味です。専門的な知識を持つ人や、ほとんど無知な人を基準とするものではありません。

     

    なお、その商品等が老人向けのものである場合は平均的な老人が、子供向けのものである場合には平均的な子供が「一般消費者」としての基準になります。

     

     

    ■「著しく」とは?


     

     

    その表示の誇張の程度が、社会一般に許容される程度を超えて、一般消費者による商品・サービスの選択に影響を与える場合をいいます。

    その誤認がなければ顧客が誘引されることが 通常ないであろうと認められる程度に達する誇大表示であれば、これに当たります。

     

     

     

    ■食品に関する、実際の違反例


     

     

    ・実際は大部分について、松坂牛出ない和牛の肉を使用していたのにあたかも料理に松坂牛を使用しているかのような表示をしていた。

    ・「和牛等特色ある食品の表示に関するガイドラインについて」における和牛の定義に該当しない牛の頬肉を使用していたにもかかわらず、あたかも黒毛和牛の頬肉を使用しているいるかのような表示をしていた。

    ・ランチセットで、「京地鶏」「半熟卵」を使用しているかのような表示をしていたが、京地鶏の肉ではなく、ブロイラー肉を使用しており、半熟卵も使用していなかった。

    ・「車エビのチリソース煮」というメニューの販売が行われていたが、実際には車エビではなく、それよりも安価なブラックタイガーを使用していた。

    ・「島根県産地国内産サザエ貝」と表示していたにもかかわらず、実際には韓国産のサザエ貝を販売していた。

     

     

     

    ■違反に対する処分


     

     

    ・違反したことを一般消費者に周知徹底すること

    ・再発防止策を講ずること

    ・その違反行為を将来繰り返さないこと

    などを内容とした「措置命令」が行われます。

     

     

    また、「課徴金納付命令」が出される場合もあります。

     

    課徴金の額は、対象行為に係る商品・サービスの「売上額」に3%を乗じた金額が課徴金額となります。

    課徴金額が150万円未満の時は、課徴金の納付は命じられません。

    また、違反事実を自主的に消費者庁長官に報告した事業者は、所定の要件を満たす場合、課徴金の2分の1が減額されます。

    さらに、所定の手続きに従って、消費者に対して返金措置を行った場合には、課徴金額が減免されます。

     

     

     

     

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