弁護士ブログ

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    2017.10.31

    西明弁護士のこと

     

    虎ノ門桜法律事務所の代表弁護士伊澤大輔です。

     

    当事務所に、西明弁護士が来てから、早いもので半年以上が経過しました。珍しい名字のせいか、時々、「にしあき」弁護士いますか?と電話がかかってくることがありますが、「さいみょう」と読みます。

     

    西明弁護士を採用した時は、当事務所を開設してから、わずか3ヶ月しか経っていない時でした。正直、これから事務所がどうなっていくのかわかりませんでしたので、果たして、当事務所で働くことが、彼の弁護士人生にとって幸せなことか悩みましたが、彼は素直でしたし、熱意にほだされ、採用することにしました。

     

    当初は、やや硬さも感じられましたが、今では意気揚々と仕事をしています。彼の良いところは、持ち前のフットワークの良さと、指摘されたことを率直に受け入れ、自分に限界を設けず、また面倒くさがらずに、改善する努力を重ねるところです。

     

    まだまだ出来の悪い書面を上げてきて、朝から私を不愉快にさせることもありますが、何度も書き直しをさせるうちに(当事務所では、私が十分納得する内容・表現の書面になるまで何度でも書き直しをさせており、不出来な書面が世に出ることはありません。)、私でもこう書くだろうなという内容の書面を書けるようになってきました。

     

    採用にあたり、これまでの学業の成績は全く関心がなく、最近知ったことですが、西明弁護士は、労働法が得意で、ロースクールでは1番をとったことがあり、司法試験もかなり上位の成績で合格したようです。 既に解雇や残業代請求、労務管理など労働法に関する相談や依頼を数多く受けています。これについては安心して見ていられます。

     

    当事務所は、損害保険会社からのご依頼が多く、また相手方である被害者の方と直接お会いして交渉することを基本方針としておりますので、被害者の方の悲しみや怒りの感情に直面することが多々あります。

     

    弁護士の仕事は、人の人生の一部をお引き受けする仕事でもありますので、もっともっと人生経験を積み、人格豊かな、弁護士に成長してもらいたいと考えています。

     

    西明弁護士

    スーツをオーダーメイドし、少しお洒落になった西明弁護士

     

     

     

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    2017.10.30

    差し押える預金口座や残高を調べるには?

     

    虎ノ門桜法律事務所の代表弁護士伊澤大輔です。

     

    以前、「メガバンクへの預金口座の全店照会」のブログ

    izawa-law.com/blog/lawyer/3214.html

    を書いたところ、多数のお問い合わせをいただきましたので、改めて、ご質問の多かった点を中心にご説明させていただきます。

     


     

     

    Q 全店照会には、どのような意味がありますか?

     

    A 預金口座を差し押えるには、銀行及び支店名まで(ゆうちょ銀行の場合には、貯金事務センター単位まで)特定する必要がありますが、全店照会によって、債務者が、どの支店に、預金を有しているか知ることができます。

     

    また、複数の金融機関の口座を差し押さえする場合、取得している債務名義の範囲内で、いくら差し押えるか振り分けをしなければなりませんが、全店照会によって、予め預金残高を知ることができますので、効率的に振り分けをすることができます。

     


     

     

    Q 全店照会できる金融機関はどこですか?

     

    A 現時点(平成29年10月30日)で、全店照会できるのは、次の5つの金融機関です。

       三菱東京UFJ銀行

       三井住友銀行

       みずほ銀行

       みずほ信託銀行

       ゆうちょ銀行

     

    その他の金融機関については、債務者である口座名義人の同意が必要となる場合が多く、名義人の承諾がない場合は回答できない旨の回答となります。

     *その後、名義人の承諾なく、全店照会に応じる金融機関が増えております。ご依頼の際、個別にご確認ください。


     

     

    Q 全店照会によって、わかる情報はなんですか?

     

    A 預金口座の有無、支店名、口座科目、(回答日時点における)預金残高です。

      さらに、ゆうちょ銀行に対しては、取引履歴についても、照会可能です。

     


     

     

    Q 訴訟提起前でも、預金口座等を調べることはできますか?

     

    A できません。

     

    全店照会制度は、あくまで債務名義に基づく債権差押命令申立のための照会ですので、前提として、判決書や和解調書などの債務名義が存在することが必要です。

    したがって、判決ないし和解後でなければ、預金口座等を調べることができません(照会には、債務名義の写しの添付が必要となります)。

     

    また、執行認諾公正証書に基づく照会は認められていません。ただし、ゆうちょ銀行については、執行認諾公正証書に基づく照会も可能です。

     


     

     

    Q 自分自身で手続きをすることはできますか?

     

    A できません。

     

    全店照会制度は、弁護士が、弁護士法第23条の2に基づき、所属弁護士会に申し出をし、当該弁護士会がその内容を審査の上、各金融機関に照会する制度ですので、弁護士に依頼しなければ、できません。また、弁護士会照会は、弁護士が強制執行について受任していることが前提ですので、全店照会のみを単独でお受けすることはできません。

     


     

     

    Q 費用はどのくらいかかりますか?

     

    A 当事務所の場合、弁護士会照会費用として、1行目が3万円、以後1行増えるごとに1万5000円(いずれも消費税別)をご請求させていただいております。

     

    また、これとは別に、実費として、1金融機関あたり、弁護士会への手数料7700円、郵券代808円の計8508円がかかります。

     

    さらに、三井住友銀行への照会の場合は、指定書式1枚につき2200円(税込)、三菱UFJ銀行への紹介の場合には、被照会者1名あたり2000円(税込)、ゆうちょ銀行宛の紹介の場合は、1件につき2200円(税込)の手数料がかかります(令和3年3月時点)。

     

     

     

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    2017.10.27

    損害保険会社の勉強会講師

     

    虎ノ門桜法律事務所の代表弁護士伊澤大輔です。

     

    先日、損害保険会社から依頼を受け、盗難事故のモラルリスクに関する勉強会の講師を努めさせて頂きました。モラルリスクとは、保険金の不正請求が疑われる事案のことです。

     

    その見極めに関する具体的ノウハウを、ここでご説明することはできませんが、若干、判例等をご紹介させていただきたいと存じます。

     


     

     

    ●判例

     

    自動車盗難に基づく保険金請求事件に関する、最高裁平成19年4月23日判決は、保険金請求者が、盗難の外形的事実を主張・立証する必要がある旨を判示しています。

     

    その外形的事実は、次の2つの事実から構成されます。

    ① 被保険者の占有にかかる自動車が保険金請求者の主張する所在場所に置かれていたこと

    ② 被保険者以外の者がその場所から自動車を持ち去ったこと

     


     

     

    ●盗難の外形的事実

     

    自動車盗難を裏付ける外形的事実としては、次のものが挙げられます。

     

     車両の保管状況  

     車両が所在不明になったときの状況

     車両が破損された痕跡の有無(事後に盗難車が発見された場合)

     盗難防止装置の有無

     警報音等の発生の有無

     監視カメラの映像

     警察への盗難届等

     


     

     

    ●事実認定のポイント

     

    盗難の事実が、常に監視カメラにより証明されなければならないわけではありません。それでは、監視カメラのない場所での盗難については、客観的な立証ができなくなってしまいますね。

     

    裁判例の多くは、被保険者の供述の信用性の判断に力を注いでいます。

     

    供述の信用性は、客観的事実(事故態様と事故現場や被害品の客観的状況)との整合性、説明それ自体の明確さ・曖昧さ、重要な点に関する説明内容の変遷、被害品を盗まれた者として取るべき行動の自然さ・不自然さ等を考慮して、判断されることになります。

     

    被保険者の供述など外形的な事実を積極的に裏付ける証拠と、その信用性に疑問を抱かせたり、あるいは反対の事実を裏付けたりする証拠との対比によって、事実認定がされるのです。

     

     

     

     

     

     

     

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    2017.10.10

    秋の草花

     

    虎ノ門桜法律事務所の代表弁護士伊澤大輔です。

     

    先週末ぐっと冷え込み、秋らしい季節になりましたね。

    当事務所のエントランスにも、馴染みのお花屋さんに、秋の草花を活けていただきました。

     

    秋の草花

     

    右側の紅い実は、バラの果実(ローズヒップ)です。酸味のあるハーブティーは、何度かいただいたことがありますが、このような紅い実であることは初めて知りました。

     

    真ん中の背の高い、茶色ぽいフサフサしたのは、吾亦紅(ワレモコウ)です。

     

    左側の紅く細長いものは、赤オクラです。これは観賞用で食べられませんが、紫色のオクラは、食べたことがあります。

     

    手前のトゲトゲした緑色のものは、風船唐綿(フウセントウワタ)です。

     

    ご来所の際、少しでも秋らしさを感じていただけましたら、幸いです。

     

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    2017.10.02

    夫婦の双方ないし一方が外国人の場合の離婚等に関する管轄及び準拠法

     

    虎ノ門桜法律事務所の代表弁護士伊澤大輔です。

     

    神谷町周辺には外資系企業が多いからでしょうか。当事務所では、時々、ご夫婦の一方が外国人である事案について、一方の配偶者である日本人の方、あるいは外国人の方から、離婚等のご相談を受けることがあります。

     

    そこで、今回は、夫婦の双方ないし一方が外国人である場合の離婚等に関する、国際裁判管轄や準拠法について、基礎知識をご説明させていただきます。

     


     

     

    ●国際裁判管轄

     

    まず、そもそも我が国の裁判所で事件を扱うことができるかという国際裁判管轄が問題になります。渉外離婚の場合の国際裁判管轄に関しては、確立した国際的法規範がなく、日本にも明文規定が存在しないため、国際民事訴訟法上の基本理念である条理に基づいて判断することになります。

    この点については、最高裁判例により、次のように理解されています。

     

    1 離婚   

     ⑴ 夫婦の双方が外国人の場合

       原則として、被告の住所地が国際裁判管轄となります。

       例外として、以下のような場合には、原告の住所地にも国際裁判管轄が認められています。

        ①原告が被告によって遺棄された場合(被告が原告を遺棄して出国したような場合)

        ②被告が行方不明となっている場合(3年間が一応の目安とされています)

        ③その他これに準ずる場合

     

     ⑵ 夫婦の一方ないし双方が日本人の場合

       原則として、被告の住所地が国際裁判管轄となります。

       例外的に、以下のような場合には、日本に国際裁判管轄が認められます。

        ①原告住所地が日本にあり、被告が行方不明である場合

        ②最終の婚姻共同生活地が日本であり、被告が原告を日本で遺棄した場合

        ③被告の住所地での裁判が不可能であったり、当該裁判が日本で承認されない可能性が高い場合

     

    2 親権者の指定、財産分与、離婚に関する慰謝料、子の監護に関する処分   

      離婚の国際管轄によります。

     

     

     

     


     

    ●準拠法

     

    続いて、外国法が適用されるのか、日本法が適用されるのかという準拠法の問題ですが、

     

    1 離婚  

      夫婦の一方が日本に常居所を有する日本人であるときは、日本法によります。

      それ以外の場合、    

       ①夫婦の本国法が同一であるときはその法によります。

       ②その法がない場合において、夫婦の常居所地法が同一であるときはその法によります。

       ③そのいずれの法もないときは夫婦に最も密接な関係がある地の法によります。

     

    2 親権者の指定    

      子の本国法が、父又は母の本国法と同一である場合には、子の本国法によります。

      その他の場合には子の常居所地法によります。

     

    3 養育費    

       原則として、扶養権利者の常居所地法によります。

     

    4 慰謝料    

      離婚の準拠法によります。  

     

    5 財産分与

      離婚の準拠法によります。

     

     

     

     

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