サブリース契約にも、借地借家法の適用があり、賃貸人が契約の更新を拒絶するには、同法第28条に定めれた正当事由が必要になります。

 

まずサブリース契約に借地借家法の適用があるか問題になります。サブリース契約は、実質的には業務委託契約であるから借地借家法の適用がないとして、争われることがありますが、最高裁平成15年10月21日判決(判例時報1844号37頁)によって、サブリース契約についても、借地借家法32条1項(賃料増減額請求権に関する規定)が適用があるとされ、この問題について、一応の決着がつきました。

 

また、東京地裁平成24年1月20日判決(判例時報2153号49頁)も、サブリース契約について、建物部分を賃貸し、その対価として賃料を支払うというものであり、建物の賃貸借契約であることが明らかであるから、旧借家法1条の2の適用があり、契約の更新を拒絶するには、正当事由が必要であると判示しています。

 

正当事由の有無は、具体的には、当事者双方の建物を使用する必要性の有無、程度に関する事情を最も重要な要素とし、これに加え、賃貸借に関する従前の経過、建物の利用状況、建物の現況、契約期間中の賃借人の不信行為、立退料の申出などを従たる要素として考慮して判断されます。サブリース契約の場合も、例外ではありません。

 

そして、上記東京地裁判決は、原告(賃貸人)が、当該建物部分を使用する必要性として、自助努力によって収益を得る必要性があると主張したことに対し、その必要性とは、賃借人である被告を排除して、自ら直接の賃貸人となること等によって、自らがより高額の賃料を得たいというものであるところ、被告に対し賃料増額請求権の行使をすることによって相当な額に変更することが可能であること等から、被告に比して、原告において当該建物部分を使用する必要性は低いと判示しています。

 

また、上記東京地裁判決は、原告が、自らが本社として当該建物を使用する必要性があると主張したのに対し、従前の協議や、訴訟前の調停及び訴状において、そのような主張をしていなかったこと、原告は当該建物のうち空いている部分を本社として使用していなかったこと、原告の現在の本社は原告の関連会社が所有している物件であることを認定し、原告において当該建物を本社として使用する必要性は低いと判示しています。

 

他方、上記東京地裁判決は、被告の当該建物部分を使用する必要性を判断する場合、原則として、転貸してこれを転借人が使用する必要性があることもその考慮に含めてよいものと解されるところ、転借人が当該建物部分を使用する必要性があることは明らかである上、被告は、この転貸によって転貸料等の収入を得ており、また、建物の転貸条件付一括借上による賃貸業務等を目的とする被告にとって建物賃借権が存在することは事業上重要な部分を占めているものであり、被告において、転借人の利益又は自らの利益のいずれの面からも、当該建物部分を使用する必要性があるものといえると判示しています。

 

こうして、上記東京地裁判決は、原告の更新拒絶には正当事由がないとして、原告の明け渡し請求を棄却しました。

 

霞ヶ関パートナーズ法律事務所
弁護士  伊 澤 大 輔
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