できる場合があります。
従前、不貞行為をするなど離婚の原因を作った有責配偶者からの離婚請求は認められてきませんでした。しかし、破綻した夫婦関係の修復は不可能な場合が多く、不自然な夫婦関係を維持しても、何の解決にもならないため、最高裁昭和62年9月4日判決により、有責配偶者からの離婚請求でも、次の要件を満たす場合には、離婚が認められるようになりました。
1. 夫婦の別居が夫婦の年齢および同居期間との対比において相当の長期間に及んでいること
2. その夫婦間に未成熟の子が存在しないこと
3. 相手方配偶者が離婚により精神的・社会的・経済的に極めて過酷な状態に置かれないこと
その後、これら要件について、実務の運用は次第に緩やかになってきており、これら要件を完全に充足しなければ離婚が認められないわけではありません。要は、事情の総合考慮により、離婚を認めても信義則に反しないと評価できるかです。