工作物がその種類に応じて通常備えているべき安全性を欠いていることをいいます。ここでの安全性は、通常のものでよく、絶対的・理想的なものである必要はありません。工作物の設置又は保存に瑕疵があったとみられるかどうかは、その事故当時におけるその工作物の構造、用法、場所的環境、利用状況等諸般の事情を総合考慮して個別具体的に判断されます。
その工作物が「通常予想される危険」に対して「通常の安全性」を備えていれば、その工作物に瑕疵はないと判断されます。第三者又は被害者の異常な行動による危険や、異常な自然力の安全性まで備えている必要はありません。
また、瑕疵があるか否かは、責任を負う占有者や所有者に、工作物の設置・保存につき義務違反があったかどうかや、故意・過失があるかを問いません。