ハラスメント

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ハラスメント

ハラスメントの類型

Case1セクハラ

違法性の判断基準

職場におけるセクハラは、その行為の時間・場所・態様、行為者の職務上の地位、年齢、被害者の年齢、婚姻歴の有無、両者のそれまでの関係、その言動の反復・継続性、被害者の対応等を総合的にみて、それが社会的見地から不相当とされる程度のものである場合には、被害者の性的自由等の人格権を侵害するものとして違法となります。

被害者の同意があった旨の主張

セクハラの主張に対しては、行為者側が、被害者が抵抗していなかったことなどを指摘して、被害者の同意があった旨の主張をすることがあります。この点について、最高裁平成27年2月26日判決は、「職場におけるセクハラ行為については、被害者が内心でこれに著しい不快感や嫌悪感等を抱きながらも、職場の人間関係の悪化等を懸念して、加害者に対する抗議や抵抗ないし会社に対する被害の申告を差し控えたりちゅうちょしたりすることが少なくないと考えられること」などを理由に、加害者に有利にしんしゃくすることは相当ではないと判示しています。

セクハラの事実認定

セクハラについては、行為者と被害者の二人だけの時に行われ、目撃者や客観的証拠が乏しいケースが多々あります。この点に関し、東京地裁平成17年1月31日判決(日本HP社セクハラ解雇事件は、行為者のセクハラ行為に関する被害者の供述は、多岐にわたるもので、それぞれが具体的かつ詳細であり、不自然・不合理な点は見当たらないこと、事情聴取から裁判の証言まで概ね一貫していること、過去の行為者と被害者との関係からすれば、被害者が殊更虚偽の供述をしてまで行為者を陥れなければならないような事情はうかがえないこと、若く独身であった行為者が、行為者から身体を触られたりキスをされたと第三者に述べることは、相当な心理的抵抗があったものと推認すること、被害状況は、被害者自身が勤務先に対し積極的に訴えたというものではなく、むしろ事情聴取においては当初供述することを拒んでさえいたことなどから、行為者の供述は信用性が高いと判示しています。

Case2パワハラ

パワハラとは?

労働施策総合推進法では、①優越的な関係を背景とした言動であって、②業務上必要かつ相当な範囲を超えたことにより、③労働者の就業環境が害されること(身体的もしくは精神的な苦痛を与えること)の3つの要素を全て満たすものを「パワハラ」と定義しています(30条の2第1項)。他方、客観的に見て、業務上必要かつ相当な範囲で行われる適正な業務指示や指導についてはパワハラに該当しません。

パワハラ行為の主な類型

厚労省の「職場のパワーハラスメントの予防・解決に向けた提言」では、次の6つの類型が提示されています。もっとも、これらにあたるのか、きつめの指導・叱責に該当するのかは判断が難しい場合があり、裁判例などを参照し、個別具体的に判断する必要があります。
・暴行、傷害(身体的な攻撃)
・脅迫、侮辱、名誉棄損、暴言(精神的な攻撃)
・隔離、仲間外れ、無視(人間関係からの切り離し)
・業務上明らかに不要なことや遂行不可能なことの強制、仕事の妨害(過大な要求)
・業務上の合理性なく、能力や経験とかけ離れた程度の低い仕事を命じたり、仕事を与えないこと(過少な要求)
・私的なことに過度に立ち入ること(個の侵害)

違法性の判断基準

職場におけるパワハラについては、行為者と被害者の職務上の地位や関係、職務の内容・性質、問題とされる言動に至った経緯・動機・目的、行為が行われた時間・時間帯・場所、行為の態様・被害者の対応等を総合考慮して、社会通念に照らし、許容される限度を逸脱したと評価される場合には、被害者の人格権を侵害するものとして違法となります。

Case3マタハラ

マタハラとは?

妊娠や出産、育児を理由として、肉体的・精神的な嫌がらせなどを行う行為です。

参考となる判例

最高裁平成26年10月23日判決は、雇用機会均等法9条3項は強行規定であり、女性労働者につき、妊娠、出産、産前休業の請求、産前産後の休業又は軽易業務への転換等を理由として解雇その他不利益な取扱いをすることは、同項に違反するものとして違法・無効となるとしています。

ただし、例外的に、当該労働者が軽易業務への転換及びこの措置により受ける有利な影響並びに不利な影響の内容や程度、この措置に係る事業主の説明の内容その他の経緯や当該労働者の意向等に照らして、当該労働者が自由な意思に基づいて降格を承諾したものと認めるに足りる合理的な理由が客観的に存在するときなどは、同項の禁止する取扱いには当たらないとされています。

Q&A

Q

懇親会での言動も「職場」でのセクハラにあたりますか?

A

オフィスや店舗など、狭い意味で業務を行う「職場」に限らず、懇親会等での言動もセクハラになることがあります。ただし、宴席で上司が飲酒を強要し、2次会へ参加させようとした行為には、強引で不適切な面があったことは否定できないが、飲酒した宴席では行われがちであるという程度を超えて不法行為を構成するとまではいえないと判示した裁判例もあり(東京地裁平成10年10月26日判決)、懇親会等での言動がセクハラにあたるか否かは個別の判断が必要となります。

まずは相談することが
解決への第一歩となります。

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