事業承継

事業承継について、こんなお悩みはありませんか?

事業承継

事業承継・事業譲渡のポイント

Point1親族内の事業承継

後継者への株式の集中や、遺留分対策、税金対策が問題となります。
後継者には、最低でも過半数、できれば3分の2以上の株式を承継させるべきです。株式の承継方法には、主に①売買、②贈与、③遺言による相続などの方法があります。

① 売買

売買価格の算定や、買取資金の調達が課題となります。売買の場合は、原則として、遺留分の制限は受けませんが、不相当な対価をもってした有償行為は、当事者双方が遺留分権利者に損害を加えることをしってしたものに限り、負担付贈与とみなして、遺留分の遺留分の算定基礎財産に算入されますので、注意が必要です(民法第1045条2項)。

② 贈与

贈与の場合は、売買の場合と異なり、売買価格の算定や、買取資金の調達は問題になりませんが、遺留分が問題となります。この点については、後継者が旧代表者から贈与等により取得した自社株式について、推定相続人及び後継者の全員の書面による合意をもって、当該株式の価額を遺留分算定基礎財産に算入しないこと(除外合意)や、遺留分算定基礎財産に算入すべき価額をあらかじめ限定すること(限定合意)ができる特例制度があります。
また、贈与の場合は、贈与税対策が必要になります。税理士に、相続税法上の株式の評価をしてもらい、贈与税や相続税がどのくらいかかるか算定してもらう必要があります。

➂ 遺言による相続

遺言書がなく、法定相続となると、株式は共同相続人間で準共有となり(民法第264条)、株主総会における議決権行使について争いになりますので、避けるべきです。もっとも、遺言は、遺言者がいつでも撤回できるため、後継者にとっては株式を承継できないかもしれないという不安材料が残ります。また、前経営者に経営権が残ったままになりますので、前経営者の経営者保証が解除されにくいという問題があります。また、相続の場合も、遺留分対策や相続税対策が必要となります。

Point2親族外の事業承継

役員や従業員など親族外承継をする場合に、特に問題になることが多いのは、株式買取資金の調達と、経営者保証(会社の負債に対する代表者の連帯保証債務)をどうするかという問題です。

買取資金調達

後継者個人が日本政策金融公庫等から融資を受ける場合や、信用保証協会の債務保証を付けて金融機関から融資を受ける場合には、経営承継円滑化法の金融支援の利用を検討すべきです。

経営者保証の解除

旧経営者が引き続き代表権や一定程度の株式を保有する実質的に経営権を有していると経営者保証が解除されにくいため、これらが後継者に承継されていることがポイントとなります。
また、金融機関に対し経営者保証の見直しを求めていくためには、次の要素を充足するように会社を磨き上げていく必要があります。
・法人と経営者個人の資産・経理が明確に分離されている。
・法人と経営者個人間の資金のやりとりが、社会通念上適切な範囲を超えない。
・法人のみの資産・収益力で借入返済が可能と判断しうる。
・法人から適時適切に財務情報等が提供されている。
・経営者等から十分な物的担保の提供がある。

Point3M&Aの方法

株式譲渡

会社組織自体に価値がある場合や、許認可を承継する場合には、株式譲渡の方法が適切です。手続きも比較的簡明で、オーナーが株式を換価できるため、事業承継で多く用いられることが多い方法です。

事業譲渡

債務超過で負債ごと会社を買うことはできないが、一部の事業に収益性や魅力がある場合に選択される方法です。譲渡対象が事業の全部または重要な一部であるときは、原則として株主総会の特別決議が必要です。また、権利義務関係を個別に引き継ぐ手続きが必要となります。原則として、債権者保護の手続きは不要ですが、債務を承継する場合には、債権者の承諾が必要となります。

会社分割

特定の事業部門の権利義務を包括的に承継されたり、それに属する従業員をそのまま承継させたい場合に適切な方法です。債権者保護手続きをとる必要があります。

Point4M&Aの進め方

0 準備

まず、自社の企業価値を大まかに把握することからはじまります。必要に応じて、企業価値を高めるため(磨上げ)、書類の整備や内部統制・コンプライアンス体制の整備をすることになります。

1 秘密保持契約

会社を売りに出していることが知られると市場や取引先等に大きな影響がありますし、交渉過程で、買手候補先に対し、財務諸表や権利関係など会社の重要な情報を開示することになりますので、秘密保持契約を締結することになります。

2 基本合意の締結

買手候補者が選定されたら、事業売却の大まかな条件を合意することになります。内容としては、売買契約の期限、デューデリジェンスに関する事項、独占交渉、基本合意の期限などです。

3 デューデリジェンス

買収のための監査、会計が適切に行われているか(財務監査)、契約や取引行為が適法に行われているか、紛争リスクがあるか(法務監査)などが行われます。

4 最終合意の締結

DDを経て、問題がないことやリスクを考慮した上で、譲渡の方法や時期、譲渡価格などを決定した契約書を締結することになります。

Q&A

Q

会社の売却に反対している少数株主がいますが、どうしたらいいでしょうか?

A

M&Aの場合、買主は100%の株式取得を希望するのが一般的です。この場合、まずは少数株主と任意の買取交渉をすべきですが、これがうまくいかなかった場合、スクイーズ・アウト(キャッシュ・アウト。大株主が少数株主の保有する株式全部を、個別の承諾を得ることなく、現金を対価として強制的に取得すること)を検討することになります。スクイーズ・アウトの方法としては、株式の議決権割合の3分の2以上を保有している場合には株式併合(会社法第180条1項)を、90%以上を保有している場合には、特別支配株主の株式等売渡請求権(同179条1項)を利用することができます。

Q

当社は株券発行会社なのですが、過去に株券を発行したことがありません。事業譲渡をするにはどうしたら、いいですか?

A

株券発行会社(株券を発行する旨の定款の定めがある会社。会社法117条7項)においては、株式の譲渡には株券の交付が必要であり(会社法128条1項)、株券の交付のない株式の譲渡は、当事者間では契約としては有効でも、会社との関係では無効です(同条2項)。
そのため、株券を発行した上で、株式を譲渡することが考えられます。株式譲渡が無効の場合、売主が買主から損害賠償請求されるおそれがありますので、注意が必要です。このようなリスクを回避するため、事業譲渡の手法としては、株式譲渡ではなく、代わりに合併や会社分割によることも多く行われています。

まずは相談することが
解決への第一歩となります。

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