製造物責任

お願い

当事務所は、損害保険会社の顧問先のため、利益相反の関係で、加害者側の保険会社が顧問先である事故についてのご相談・ご依頼には応じることができません。被害者の方は、予め製造業者側の保険会社名をご確認の上、ご連絡いただきますようお願いいたします。

製造物責任とは?

製造物の欠陥により、被害者の生命、身体、財産に被害が生じた場合に、製造業者等に対し損害賠償請求できる制度です。製造物に欠陥があればよく、製造業者等に過失があるか否かを問いません。被害者の立証責任が軽減されているのです。

製造物責任について、こんなお悩みはありませんか?

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製造物責任の要件

Point1製造物とは

「製造又は加工された動産」をいいます。不動産は含まれません。

もっとも、完成品だけでなく、完成品を構成する原材料や部品も製造物にあたりますので、例えば、建物を構成する部品等に欠陥があれば、製造物責任を追及することができます。

また、プログラムやソフトウェアは無体物のため、製造物にはあたりませんが、これらが組み込まれたROM等は製造物にあたります。

Point2責任主体

責任を負う者

製造物(原材料や部品を含む)の製造業者・加工業者・輸入業者

責任を負わない者

販売業者・流通業者・運送業者・梱包業者・倉庫業者

個別に判断される者

OEM 商品やPB商品の販売業者は、製造業者として表示した者、製造業者と誤認されるような表示をした者、実質的な製造業者と認めることができる表示をした者は、製造物責任の主体となります。

また、設置業者・修理業者は、原則として、製造物責任を負いませんが、製造業者のマニュアルや指示に基づいて設置・組立が行われたことに起因して欠陥が発生した場合には、製造物責任を負う場合があります。

Point3欠陥

欠陥とは、「製造物が通常有すべき安全性を欠いていること」です(製造物責任法2条2項)。欠陥は、一般的に、①製造上の欠陥、②設計上の欠陥、➂指示・警告上の欠陥の3つに分類されます。

判断要素

同条項は、欠陥があるか否かの判断要素として、当該製造物の特性、その通常予見される使用形態、当該製造物を引き渡した時期、その他の当該製造物に係る事情をあげています。

行政上の判断基準との関係

行政上の安全基準は守るべき最低限度の基準を定めたものにすぎず、これを遵守したからといって直ちに欠陥がないと判断されるわけではありません。

Point4損害

当該製造物以外に損害が生じることが必要です(3条但書)。

損害賠償の範囲は、民法の原則に従い、慰謝料や休業損害、逸失利益、営業損害なども含まれます。

Point5「欠陥」と「損害」との間の因果関係

製造物責任は、製造業者等が製品を引き渡した時点で存在していた欠陥によって、損害が生じた、という因果関係がある場合に負います。引き渡した時点とは、製品が流通に置かれた時点を意味します。

製品が流通に置かれた時点では欠陥がなく、その後、第三者によって、修理、加工、改造等されたことが原因で損害が発生した場合には、製造業者等は、製造物責任を負いません。

Q&A

Q

販売当時の技術水準では、欠陥を発見することはできなかったですが、製造物責任を免れることはできませんか?

A

製造物責任法では、製造業者が製品を流通においた時点における科学・技術知識によっては、そこに内在する欠陥があることを認識できなかったことを製造業者が立証できた場合には、免責が認められています(開発危険の抗弁。4条1項)。ただし、ここでいう科学・技術知識とは、当時入手可能な世界最高の技術・知識をいうと解されており、個々の製造業者の認識の有無は考慮されないため、裁判実務では、この免責が認められることはほとんどありません。

Q

中古品の修理業を行っていますが、製造物責任を負う場合がありますか?

A

製造物責任法の対象となる製造物とは、「製造又は加工」された「動産」であって、動産である限り、新品か中古品か、展示品か試供品か廃棄品かを問いません。
もっとも、「加工」とは、原材料に人為的な工作を加え、その本質を保持させたままで新たな属性を加えて価値を付加することであり、単に古い部品を新しい部品にとりかえたりする程度では、「加工」にあたらず、製造物責任を負いません。
これに対し、製品に新たな性能や属性を加えたような場合には、「加工」にあたり、製造物責任を負う可能性があります。

まずは相談することが
解決への第一歩となります。

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当事務所はトラブルに即時介入し、依頼者の盾となり、ストレスフルな日々から解放します。

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