Q&A

  • cat2

    2015.05.11

    事故等により怪我をした場合、どのような立証資料を揃えればいいですか?

    交通事故の場合には、医療機関から保険会社に対し、直接治療費を請求し、保険会社が医療機関に対し、直接治療費を支払うことになり、その過程で、保険会社が診断書や診療報酬書等を入手しますので、被害者の方でこれら資料を揃える必要はありませんが、交通事故以外の事件・事故の場合には、基本的に、被害者の方で、すべての損害の立証資料を揃える必要があります。

     

    ①治療費

    通院した際の領収証をすべてとっているのであれば、それで足りますが、領収証をとっていなくても、医療機関に依頼をすれば、遡って月ごとの診療報酬明細書を発行してくれます。むしろ、診療報酬明細書の方が、領収証よりもがさばらず、具体的な治療内容や通院日が一覧でわかりますので、簡便です。診療報酬明細書を発行してもらうには、一通数千円程度の文書料がかかりますが、その文書料も損害として請求できます。

     

    ②通院交通費

    電車代やバス代等の公共交通機関については領収証が発行されませんので、裏付け資料は必要なく、自己申告で足ります。通院日と合致し、自宅等と医療機関との間の合理的な通院ルートであれば、通常、損害として否定されることはありません。

    他方、タクシーを利用した場合には、その領収証が必要になります。

    また、自家用車で通院した場合には、ネットで自宅等から医療機関への合理的なルートを検索し、1kmあたり15円×距離(km)×往復2のガソリン代を自己申告で請求すればよいでしょう。

     

    ③傷害慰謝料

    領収証や診療報酬明細書で、通院期間や実通院日数がわかりますので、これらによって算定することが可能になります。

     

    ④休業損害

    給与所得者の場合には、勤務先に休業損害証明書を発行してもらう必要があります。その書式は、自賠責保険で使用されているものを利用するのが一般的です。その他に、事故前年の源泉徴収票や、事故前3ヶ月分の給与明細書を揃えるとよいでしょう。

    他方、自営業者の場合には、主に確定申告書で休業損害を立証することになりますが、給与所得者の場合に比べ、その立証は容易ではないかもしれません。

    また、休業損害を請求する前提として、一定期間就労不能であったことを立証する資料として、診断書が必要になります。

     

    ⑤後遺障害関係

    後遺障害診断書のほか、レントゲン写真やMRI画像、各種検査結果が必要となります。醜状痕の場合には、その部位や大きさ、状況がわかる写真も用意した方がよいでしょう。

    また、後遺障害逸失利益算定の前提となる基礎収入については、事故前年の源泉徴収票や確定申告書で立証することになります。

     

    霞ヶ関パートナーズ法律事務所
    弁護士  伊 澤 大 輔
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  • cat5

    2015.05.08

    間違って振り込んでしまった場合、どうすればいいですか?

    振込金が受取人の預金口座に入金記帳される前であれば、銀行の振込委任業務が終了していませんので、振込依頼人はいつでも、受取人の取引銀行(被仕向銀行)から、振込依頼人が振込を依頼した銀行(仕向銀行)に対する返金手続き(これを「組戻し」といいます)をとることができます。

     

    また、振込金が受取人の預金口座に入金記帳されてしまった後でも、受取人が誤振込であることを認め、組戻しを承諾している場合には、組戻しに応じるのが銀行実務です。

     

    この点、名古屋高裁平成17年3月17日判決(金融・商事判例1214号19頁)が参考になります。同判決は、振込依頼人が、誤振込を理由に仕向銀行に取戻しを依頼し、受取人も、誤振込による入金であることを認めて、被仕向銀行による返還を承諾している場合には、正義、公平の観念に照らし、その法的処理において、(法的には、預金契約が成立しているが、)実質は受取人と被仕向銀行との間に振込金額相当の預金契約が成立していないのと同様に構成し、振込依頼人の被仕向銀行に対する、直接の不当利得返還請求を認めています。

     

    では、受取人が組戻しを承諾しない場合にはどうすればいいかというと、この場合には、振込依頼人から、受取人に対し、不当利得返還請求権に基づき、返金の交渉ないし訴訟によって解決するしかありません。

     

    なお、受取人が誤振込があることを知りながら、その情を秘して、被仕向銀行に対し預金の払戻しを請求することは詐欺罪にあたるというのが最高裁判例(平成15年3月12日判決)ですので、これを指摘して交渉してもよいでしょう。

     

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  • cat2

    2015.05.07

    事故等により負傷した場合、どのような損害を請求できますか?

    事件・事故により負傷したときに損害賠償請求できる、主な項目は以下の通りです。

     

    ①治療費

    通常、かかった治療費は実費全額を請求できますが、必要性・相当性の認められない治療費は否定される場合があります。治療期間が相場よりもかなり長い場合も、否定される場合があります。薬代や診断書等の文書料実費も請求できます。

     

    ②通院交通費

    通院に要した交通費実費が認められます。足を怪我して歩行が困難であるとか、体調が相当悪いような場合には、タクシー代の請求も認められますが、それ以外の場合は、電車やバスなど公共交通機関の料金が基本になります。他方、通院に、自家用車を利用した場合には、1㎞あたり15円のガソリン代を認めるのが保険実務です。

     

    ③入通院(傷害)慰謝料

    入通院に要した期間や実通院日数に応じた慰謝料を請求できます。その基準には、自賠責保険基準、各損害保険会社が使用している任意保険基準、訴訟等で用いられる裁判(赤本)基準といったものがあります。

     

    ④休業損害

    事故等によって、仕事をすることができず、実際に収入が減った場合には、その収入減分を請求できます。なお、実際の収入減がなくても、有給休暇を使用した場合には、その分を休業損害として請求できます。

     

    ⑤後遺症慰謝料

    後遺症が残った場合には、その等級に応じた慰謝料を請求することができます。交通事故の場合には、損害保険料率算出機構による後遺障害等級の事前認定を受けることが前提となりますが、交通事故以外の場合には、そのような制度がありませんので、後遺障害診断書や画像等により立証をし、交渉により折り合いが付けられるかが問題になり、交渉で折り合いが付かない場合には、訴訟によることになります。

     

    ⑥後遺症逸失利益

    また、後遺症が残った場合には、その基礎年収、後遺障害等級ごとの労働能力喪失率、労働能力喪失期間(基本的に、症状固定日から67歳まで。但し、中間利息を控除する必要)を掛け合わせた逸失利益を請求できます。

     

    怪我をした場合の損害賠償額は、以上のような項目を一つ一つ計算し、これらを積み上げて算出することになります。

     

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  • cat4

    2015.04.17

    賃料増減額請求権は、過去に遡って効力を生じさせることができますか?

    土地についても、建物についても、賃料増減額請求権は、「将来に向かって」行使することができる旨定められていますので(借地借家法第11条1項、32条1項)、過去に授受した賃料額が不相当であったとしても、過去に遡って、賃料の増額又は減額を請求することはできません。

     

    もっとも、これにかかわらず、当事者間でどのような合意をするかは自由ですので、当事者間の合意によって、過去の一定期間からの賃料額を増減し、精算することは、差し支えありません。

     

    このように、賃料増減額請求権は将来に向かってのみ効力が生じるため、いつ賃料増減額請求権を行使したかが問題になります。その行使は、相手方に対する意思表示によって行われ、書面に限らず、口頭でも行使することも可能ですが、後に争いになることを想定して、配達証明付きの内容証明郵便で行う方がよいでしょう。

     

    また、書面によって行使する場合、賃料増減の意思表示であることがわかればよく、賃料増減の根拠を示すことや金額を明示する必要はありません。しかし、裁判上、賃料増減額請求権を行使する場合には、請求の上限を画する必要から、訴状において金額を明示しなければなりません。

     

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  • cat4

    2015.04.16

    【サブリース】賃料減額請求の当否及び相当賃料を判断するために考慮される事情

    虎ノ門桜法律事務所の代表弁護士伊澤大輔です。

    基本的にサブリースにも借地借家法が適用され、賃料増額・減額請求をすることができます。

     

    賃料増減額について、借地借家法第32条本文には、「建物の借賃が、土地若しくは建物に対する租税その他の負担の増減により、土地若しくは建物の価値の上昇若しくは低下その他の経済事情の変動により、又は近傍同種の建物の借賃に比較して不相当となったときは、契約の条件にかかわらず、当事者は、将来に向かって建物の借賃の額の増減を請求することができる。」と定められていますので、基本的に、これら事情が考慮されます。

     


     

    ■最高裁平成15年10月21日判決

     

    もっとも、最高裁平成15年10月21日判決(判例時報1844号50頁)は、サブリース契約が、賃借人の転貸事業の一部を構成するものであり、サブリース契約における賃料額及び賃料自動増額等に係る約定は、賃貸人が賃借人のために多額の資本を投下する前提となったものであって、これらの事情は契約当事者が当初賃料額を決定する際の重要な要素となった事情であるから、衡平の見地に照らし、賃料減額請求の当否及び相当賃料額を判断する場合に、重要な事情として十分に考慮されるべきである旨判示しています。

    この減額請求の当否及び相当賃料額を判断するに当たっては、賃貸借契約の当事者が賃料額決定の要素とした事情その他諸般の事情を総合的に考慮すべきであり、賃貸借契約において賃料額が決定されるに至った経緯や賃料自動増額特約が付されるに至った事情、とりわけ、当該約定賃料額と当時の近傍同種の建物の賃料相場との関係(賃料相場とのかい離の有無、程度等)、サブリース業者の転貸事業における収支予測にかかわる事情(賃料の転貸収入に占める割合の推移の見通しについての当事者の認識等)、賃貸人(オーナー)の敷金及び銀行借入金の返済の予定にかかわる事情等をも十分に考慮すべきであるとしているのです。

     


    ■下級審裁判例

     

    このように、サブリース契約に関しては、当初賃料額や賃料自動増額特約をはじめ契約に至った事情が重要な事情として考慮されるため、サブリース契約の締結に至るまで、賃貸借期間を通じて賃貸人に多額の収益が生じることを予測した収益試算表を前提として交渉が重ねられたことをもって、サブリース契約における賃料額は、賃貸人の収益を相当程度確保するものでなければならないと判示する裁判例も存在します(東京高裁平成23年3月16日判決)。

     

    裁判例(上記高裁判決、東京地裁平成20年6月24日判決等)では、賃料減額請求の当否や相当賃料額を判断する事情として、

     ① 当該不動産周辺の地域において、地価や賃料相場の下落傾向が続いていること。

     ② 固定資産税等の減額により、賃貸人の負担軽減があったこと。

     ③ 建物建設にかかる借入の金利引き下げにより、賃貸人の負担軽減があったこと。

     ④ 賃借人が賃貸人に支払う賃料額が、転貸賃料を上回る「逆ざや」状態が相当期間続いていること。

    などが考慮されていますが、これらと共に、サブリース契約が締結された事情や賃貸人の収益性確保が考慮されるのです。

      

     

     

     

  • cat4

    2015.04.15

    サブリースについても、賃料増減額請求権を行使することができますか?

    はい。行使することができます。

     

    かつてサブリース契約については、事業契約であって賃貸借契約ではないから、借地借家法第32条(賃料増減請求権)は適用されないなどと主張され、争われていましたが、最高裁平成15年10月21日判決(判例時報1844号50頁)が、その合意の内容は、賃貸部分を収益させ、その対価として賃料を支払うというものであり、賃貸借契約であることが明らかであるから、同条が適用されると判示し、一定の結論が出ています。

     

    ところで、サブリースでは、賃料自動増額特約(賃料について、×年ごとに、□%値上げするという特約)や、最低賃料保証特約が入っていることが多く、これら特約は賃料を減額しない旨の約束を含むと解されますが、これら特約が入っている場合にも、賃料減額請求権を行使することはできるのでしょうか。

     

    借地借家法第32条1項但し書きには、「一定の期間建物の借賃を増額しない旨の特約がある場合には、その定めに従う。」と定められており、一定期間増額しない旨の特約は有効ですが、これとは反対に、一定期間減額しない旨の特約があっても、減額請求ができると解されます。

     

    判例も、借地借家法第32条1項の規定は強行法規であり、賃料自動増額特約や、最低賃料保証特約によってもその適用を排除することができない旨判示しています(上記最高裁判例、最高裁平成15年10月23日判決等)。

     

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  • cat4

    2015.04.10

    サブリースについて、賃貸人から、期間満了を理由に契約を終了させることができますか?

    サブリース契約にも、借地借家法の適用があり、賃貸人が契約の更新を拒絶するには、同法第28条に定めれた正当事由が必要になります。

     

    まずサブリース契約に借地借家法の適用があるか問題になります。サブリース契約は、実質的には業務委託契約であるから借地借家法の適用がないとして、争われることがありますが、最高裁平成15年10月21日判決(判例時報1844号37頁)によって、サブリース契約についても、借地借家法32条1項(賃料増減額請求権に関する規定)が適用があるとされ、この問題について、一応の決着がつきました。

     

    また、東京地裁平成24年1月20日判決(判例時報2153号49頁)も、サブリース契約について、建物部分を賃貸し、その対価として賃料を支払うというものであり、建物の賃貸借契約であることが明らかであるから、旧借家法1条の2の適用があり、契約の更新を拒絶するには、正当事由が必要であると判示しています。

     

    正当事由の有無は、具体的には、当事者双方の建物を使用する必要性の有無、程度に関する事情を最も重要な要素とし、これに加え、賃貸借に関する従前の経過、建物の利用状況、建物の現況、契約期間中の賃借人の不信行為、立退料の申出などを従たる要素として考慮して判断されます。サブリース契約の場合も、例外ではありません。

     

    そして、上記東京地裁判決は、原告(賃貸人)が、当該建物部分を使用する必要性として、自助努力によって収益を得る必要性があると主張したことに対し、その必要性とは、賃借人である被告を排除して、自ら直接の賃貸人となること等によって、自らがより高額の賃料を得たいというものであるところ、被告に対し賃料増額請求権の行使をすることによって相当な額に変更することが可能であること等から、被告に比して、原告において当該建物部分を使用する必要性は低いと判示しています。

     

    また、上記東京地裁判決は、原告が、自らが本社として当該建物を使用する必要性があると主張したのに対し、従前の協議や、訴訟前の調停及び訴状において、そのような主張をしていなかったこと、原告は当該建物のうち空いている部分を本社として使用していなかったこと、原告の現在の本社は原告の関連会社が所有している物件であることを認定し、原告において当該建物を本社として使用する必要性は低いと判示しています。

     

    他方、上記東京地裁判決は、被告の当該建物部分を使用する必要性を判断する場合、原則として、転貸してこれを転借人が使用する必要性があることもその考慮に含めてよいものと解されるところ、転借人が当該建物部分を使用する必要性があることは明らかである上、被告は、この転貸によって転貸料等の収入を得ており、また、建物の転貸条件付一括借上による賃貸業務等を目的とする被告にとって建物賃借権が存在することは事業上重要な部分を占めているものであり、被告において、転借人の利益又は自らの利益のいずれの面からも、当該建物部分を使用する必要性があるものといえると判示しています。

     

    こうして、上記東京地裁判決は、原告の更新拒絶には正当事由がないとして、原告の明け渡し請求を棄却しました。

     

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  • cat6

    2015.04.08

    よくある質問⑧ 委任した後も、裁判に毎回出席する必要がありますか?

    いいえ。裁判には、毎回、私が代理人として出席しますので、依頼者の方に出席頂く必要はありません。

     

    裁判期日の内容・結果については、私から、毎回、訴訟経過報告書により、ご報告させていただきます。

     

    但し、裁判も終盤に差し掛かり、和解についての話が重要な局面を迎えたため、依頼者の方にも同席の上、直接判断頂きたい場合や、法廷で証言いただく場合には、出席をお願いすることがあります。

     

    また、任意に傍聴されるのは、もちろん自由です。

     

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  • cat6

    2015.04.06

    よくある質問⑦ 報酬金はどのような場合に支払う必要がありますか?

    示談や和解が成立したり、判決が確定するなど、事件が解決したときに、その成功の程度に応じてお支払いいただくことになります。

     

    時々、第一審で勝訴し、相手方から控訴され、控訴審でも勝訴した場合には、第一審と控訴審とで、それぞれ判決が出た段階で報酬金を二回支払う必要があるのかといった質問を受けることがありますが、そのようなことはありません。報酬金は、紛争が終局的に解決した場合、最後に一回だけお支払いいただければ足ります。

     

    また、相手方(被告)に対し、金銭を請求する事件の場合、私は、実際に相手方から金銭を回収できたときに、実際に回収できた額に応じて報酬金をいただく形にしています。

     

    本来、相手方から実際に回収できるか否かということは報酬金の発生とは関係なく、和解成立時ないし判決確定時に報酬金を請求する法律事務所も存在しますが、勝訴等しても、相手方から回収できないのであれば、判決書等は絵に描いた餅に過ぎず、依頼者の方が弁護士費用をかけた分、損をして終わってしまうことになります。

    それでは、依頼者の方の利益になりませんので、私は、報酬金については、実際に回収できた額に応じていただくことにしております。

     

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